先週は台湾に行っておりブログの更新が遅れました。
私にとって旅行のテーマは常に冒険でもあります。
短パンで常にいられる様な場所でなければ気分を盛り上げるためにもブーツ着用が基本です。
先日手に入れたベルスタッフのブーツは良い意味で期待を裏切られました。
それまでは所詮ラグジュアリーブランドになりたいだけの質が伴わない名前だけなのかと思っていました。
しかし実物は革質から形状まで基本の質は抑えており、外見はさすが阪急メンズからGINZA SIXに旗艦を移しただけに相当ラグジュアリー、かつ軽くて足首のフィット感やソールの返り、歩きやすさはスニーカー以上、冒険にぴったりのセパレートのタンクソールで理想の旅ブーツでした。
ブーツは旅以外にもオンロードバイク、オフロードバイク、登山、アウトドアと私の趣味とは密接に関わっており素材もレザーを好んで使ってきました。
お洒落で履いているだけのドレッシーな手入れとは違う実用的な手入れについて書こうと思います。
ブーツにもジャンルが様々ありますが今回の対象はダナー、レッドウィング 、ベルスタッフといったアスファルト外のアウトドア系ブーツです。
ウルヴァリンやホワイツといったアメリカンワークブーツも良いと思いますが残念ながら好みではなく所有しておりません。
良い状態とは何か
経験による感触以外に根拠はないのですが。
まずしっとりと吸い付く感触があることです。触った時のアッパーもそうですし履いた時のライニングにも言えます。
手入れが正しくよく育ってくると吸い付く様な感触やしなやかさを感じ、新品よりも履きやすくなってきます。
感触以外では外観も変化してきます。
新品時よりもキメが細かく整いヴェールに包まれた様な光沢と透明感、深くない履きジワになる状態です。
なんとなく合っていないクリームは光沢があってもキメが荒くなった様な気がするものもあります。実際はその様なことはなくとも肌荒れにも近い風合いに見えます。
光沢については、例えば安価な車とロールスロイスやメルセデスSクラスは同じ色でも透明感や光の層が異なっていると感じられるはずです。
靴も同じ様に、良い靴に良い手入れをすると光り方や色の深み、風合いが変わってきます。
ワックスを厚塗りすれば鏡面の様に光りますがそれは本来の革質の良さを知らないことになります。
ブラッシング
まず始めに使ったら必ずホコリや表面の軽い汚れを落とします。
これは普通の革靴も変わりませんが毛の長いブラシが良いです。
柔らかい馬毛か固い豚毛かは用途によりますが毛の長さは長い方が良いです。
コバや土踏まず、その他の細かい部分に届く様にです。
旅行後であれば石や泥でソールが街よりも汚れていることもありますので、さらに固いソールブラシもあると便利です。
汚れ落とし
私はブーツを旅に使った場合、帰ったらほぼ毎回洗います。
軽い土汚れや砂埃程度ならお湯で濡らしたタオルで拭きますがそれでも十分です。
それは自分の手や洋服が汚れた場合と同じです。
DIYや農作業で手を汚してしまったとしても石鹸で洗えば落ちるはずです。
数年前からげんなりしているのがブーツ初心者がステインリムーバーを当たり前の様に使いそれを広めていることです。
特にファッションから入ったダナーライトユーザーに多いです。
通常使用においてそこまでしなければ落ちない汚れは滅多に無いのですが、ステインリムーバーを使い過ぎたせいで傷んでしまった靴は表面が荒れて汚れが付着しやすくなっているため毎度の様にステインリムーバーとクリームを塗りたくるハメになるのです。
古いワックスやクリームが堆積して固くなり取れないのであれば仕方ありませんが通常のクリームを二、三回塗るごとにステインリムーバーを使用する必要も無いと思います。
リムーバーによって汚れが落ちたと誇らしげに見せていますが、土とは違うその汚れがある場所とはどのような場所になるのか。
それは汚れではなく塗ったクリームや元々の革の色が落ちただけです。
毎回手入れをしている靴であれば、汚れの大半はぬるま湯でも落ちるのです。
唯一通常使用で使う場面があるのは靴同士がこすれてコバインクがアッパーについた場合です。
ステインリムーバーで撫でれば簡単に落ちますがお湯で落とすのは大変かもしれません。
洗う時の注意としては水分や油切れの悪い状態の古い靴なら先にそれらを補ってあげる必要があることです。
カラカラの革に急激な水分は乾く時に大きなダメージを与えます。
そして洗った後の乾燥は必ず涼しく風通しの良い場所です。暖房は駄目ですが扇風機は効果抜群です。
急激な水分の増減はNGです。
恥ずかしながらジョンロブを2、3足ダメにしてしまった時の原因が靴の乾燥時でした。
保革
靴を洗うと必ず乾燥して固くなってしまいます。
乾燥途中にホースオイルやマスタングペースト、ミンクオイルを塗ると乾燥後の硬化をある程度防ぐことができます。
乾いた後は、油切れでギシギシしている場合と水分切れの場合があります。
水分切れの場合、3分の1程度に薄めたグリセリンを塗ります。
水分が足りていればいつまでもグリセリンのベタベタが残りますので水拭きします。
その後油分を補います。
この油分となるクリームも膨大に販売されていますが重要な選択です。
ケミカルなものは寿命を縮めますのでできるだけ天然のものを使うと良いです。
この差は、大雨の後などでダメージを負った時に出ます。
良いクリームで手入れを続けてきたものはきちんと回復しますが、メーカーも粗悪品を作ろうとしているわけではないので選択は難しいです。
今回のテーマは汎用的なブーツですので気楽に綺麗にそして靴が育つ手入れをしたいと思います。
そこでオススメなのがコロニル アクティブレザーワックスです。
ヒマラヤ登山隊が使ったワックスがベースとのことで氷点下でも凍らずオリーブオイルベースの防水ワックスです。
オリーブオイルで大丈夫かと思うかもしれませんが、とある実験でヌメ革を一年以上かけて各種高級オイルを定期的に塗り一年以上経過を観察した所、他と大差なく問題ないことを確認しています。
そうでなくともこのオイルに問題がないだろうことは感触で想像がつきます。
ギトギトしていたり風合いが悪くなるのかと心配していましたがその様なことは一切ありませんでした。
磨けばきちんと光沢がでますし、保革効果はかなり高い、それでいてベタベタせず他からの汚れを寄せ付けません。
これまでマスタングペーストやブーツオイル、ミンクオイル等かなりのレザーケア用品を使ってきましたが、旅やバイクで使うブーツには細かい手入れをせずそれでいて綺麗な光沢が保てるこの方法に落ち着きました。
ブーツやバッファローレザーであってもジョンロブに使うと風合いが良くならなったために試した後、使用を中止しました。
トリッカーズのサイドゴアブーツ ヘンリーに対しても風合いが良くならなかったため使用を中止しました。
どうもドレスシューズのきめ細やかなレザーとマスタングペースト は相性が悪いということのようです。
また、最近は登山靴界隈の都市伝説、アクティブレザーワックスの前にコロニル レザージェルを塗る、というのも実験しています。
コロニル レザージェルは保革と防水を備えたオールマイティなクリーム、との宣伝文句ですが、そんなオールマイティなら他のクリームはなぜ販売しているのかメーカーの意図が聞きたいところです。
塗ると浸透している感じは少なく多少保革していますが表面が白っぽくなり膜を張っている様な感じもします。
磨いても光沢はでません。
使用感はよくありませんが、なんとなく顔料加工されたファッションレザー系と相性が良いと感じます。靴よりもバッグでしょうか。
それにスエードやヌバックに使えるクリームというのは貴重です。ガスが出ない以外にスエードスプレーよりもメリットがあるのかどうか。
とりあえず、実験ですので無くなるまではレザージェルの後にアクティブレザーワックスで手入れをしていこうと思います。
今は部位ごとのスエードとスムースレザーが組み合わされた登山ブーツにのみ使っています。
やはり風合いが良くなる方向にはならないようです。
おまけ
上記は手応えを感じていますがまだ始めて1、2年です。
90年代の黒タグ ダナーを登山を中心にバイクにと10年以上使い大変良い風合いに育った方法は下記になります。
マスタングペーストを塗った後に気分でコロニル シュプリームを塗ることです。
なぜやめてしまったかと言うと、ワークブーツくらい荒々しく厚手でハードな一枚革やオイルドレザーであれば良いのですが、登山靴の様に細かい生地を重ねた部分があったり、カジュアル用や少しドレッシーであったりと革の種類も色々あるとマスタングペースト は向かないものもある気がしたからです。
ワークブーツもアウトドアブーツも同じ方法で手入れができないものかと思いはじめました。
厚手の革に対してもしっかりと浸透し、防水と光沢を両立できる方法は無いかと思っていたところコロニル アクティブレザーワックスがそれを満たせそうだと感じたためそれを中心に実験をはじめました。
ベルスタッフに関してはさらに光沢を欲しい使用状況の場合は、コロニル シュプリームやサフィールノワール クレムをさらに使用していこうと思います。
写真が悪くあまり効果は伝わらないが綺麗な光沢としなやかな感触があります。
コロニル アクティブレザーワックスのみしか使用していません。
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