今年の梅雨は雨の日が多い。
湿気のせいかあまり靴磨きをする気にもなれず道具の整理をすることにしました。
ポリッシュブラシの過不足の選定、ブラシやシューツリーの木部にビーズワックスポリッシュ。
そして最新のシューツリーは無垢材むき出しですぐに汚れてしまうことが気になっていたので染めることにしました。
ベルルッティやガジアーノ&ガーリング、フォスター&サンやジョンロブビスポークのシューツリー は透き通った木目と宝石の様な鮮やかな色で憧れていました。
イヤーモデル限定の赤いシューツリーは二足持っているのですが、加工は最高でもラストがどれにも合わないイマイチなモデルです。
一応8695ベースと言われているのですがね。。。
そこで7000ベースの最新のシューツリーをいくつか導入しましたので、これらを染めます。
一つ目はナセビー ブラックに入れるために黒く染めたシューツリーです。
二つ目は、パリジャンブラウンのチャペルに入れるマホガニー風に染めたシューツリーです。
三つ目はウィリアム ミスティブラックに入れるローズウッド風シューツリーです。
これはごく短期間のみ作られたウィリアムの焼印入り、専用ラスト9795です。
偶然にも全てダブルモンク用です。
ラグジュアリーでありながらもモードな雰囲気があるためにカラフルなツリーが合うのでしょうか?
何となく5アイレットのイメージでは無いのでしょう。
イヤーモデル専用ローズウッド、フォーマル専用透過性無しブラック、
自分染めローズウッド、自分染めマホガニー、自分染めブラック、が手持ちのカラーモデルです。
どうせならジョージクレバリーをイメージしたブルーを一つくらい作れば良かったのにシューツリーも既にいっぱい、失敗しました。
軽く作り方を紹介します。
下準備
クリームが付いているとステインを弾いてしまいますのでシューツリーを洗います。
私はいつも薄めた中性洗剤を使います。
靴クリームや油分のせいで水を弾く部位があってはいけません。
水があまりにも浸透しすぎないように手早く洗います。
素材によっては割れることがあるからです。
すでにニス仕上げのツリーはヤスリがけをしなければいけませんが全体を満遍なく綺麗に削るのは手間がかかりすぎるためやらない方が無難です。
ステイン
水で倍程度に薄めることがポイントです。
ムラも目立たなく木目の濃淡が美しく浮き立ちます。
乾いたら色が落ちなくなるまで拭きとります。
薄ければ乾かして二度三度と塗り重ねます。
ニス
これもよく水で薄めます。
濡れたような艶が手早く手に入るからと厚塗りしてしまうと、靴に入れた時にニス層が張り付いてしまいます。
そうなると靴から抜く時にライニングの表面が剥がれてツリーに付いてくることがあります。
キメ細かい艶を出したいならニスを薄く塗り目の細かいヤスリで削ってを繰り返して整えます。
仕上げ
仕上げはヤスリで番手を細かくしながら磨くだけです。
もともとのシューツリー自体荒れていないはずなので800番から1600番くらいでしょうか。
ニスが薄塗りのため削れないよう気をつけて整える程度に磨きます。
ポリッシュ
最後に木工家具用のビーズワックスポリッシュで磨きます。
薄く塗って乾いたら何日も布で磨きます。
塗りすぎると靴のライニングにシミができます。
上記写真は成功例ですがそれまで何度か失敗しています。
私の場合、どの工程も適当な感じでやるとうまくいきました。
ステインもヤスリもニスもポリッシュもしっかりやろうとすると全てやりすぎて失敗してしまいました。
適当でもうまくいくので雨で出かけられない時には良い暇つぶしになります。