ジョンロブ 新旧ラスト比較 【90年代前半VS90年代後半VS2000年代】
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最近は90年代前半のクロケット&ジョーンズ製(C&J)を発掘するのに凝っています。
以前、90年代後半と2000年代で同じモデルを使い比較したことがありましたが、今回は各時代を代表するラストをまとめて比較してみようと思います。
本当はC&J製やボノーラ製も比較しようと思いましたが長くなりそうなので別記事にまとめたいと思います。
年代ごとの代表ラストを比較
もともと、ジョンロブ パリのレディメイドはC&Jが製造していましたがトップレンジモデルをボノーラ、そして90年中期の短い期間にはエドワードグリーン製(EG)も混在しています。
結局、EGを買収し90年代中期はEGにも通じるイングランドらしいモデル、2000年からはラグジュアリーブランドらしいモードな方向へと進んでいきます。
比較モデル
左から、
です。
古き良き英国トラディッショナルを感じさせる90年代前半、大きな特徴は無いが履くと美しくフランスのエッセンスも感じる90年代中期、モードでラグジュアリーな2000年代 です。
スーツにも通じ変化があります。
アウトサイドのラインで比較
一枚の画像ではわかりづらいかもしれませんが、ジョンロブの個性を最も反映していると感じているのがアウトサイドのラインです。
丸いヒールカップから土踏まずの外側あたりで一旦絞られているのですが、2246が最も大きく絞られています。次に8695、7000となっています。
アッパーとウェルトとの境界で土踏まずの内側外側がぐっと足裏へと押し込まれる様に作られていますがこれも2246が最も顕著です。
これによって足の裏側から押し上げる様な強いフィット感が得られるのです。
良い靴かどうかはこの足裏へ押し込まれているか、アウトサイドの丸みが立体的であるかでわかります。
しかし、2466もEG自身も足裏からのフィット感が強すぎて私は好みではありません。
靴の高さで比較
踵から爪先まで続くアウトサイドの光の反射したラインを見てみます。
2246はこの光のラインを境いにして上側が短いです。つまり全体に低くできています。
8695や7000は甲が高くできています。特にシューレースあたりを見ると高さがあることが分かります。
インサイドのラインで比較
足の内側(親指側)のを見てみると、指の付け根から爪先へと細くなるカーブが異なっていることが分かります。
2246は親指の辺りから爪先にかけてカーブが大きく爪先が細くなっていくのが分かります。
7000は親指側はそのまま真っ直ぐで小指側から細くなっていく傾向が強いです。
8695はその中間くらいです。
爪先のカーブが強いため2246はノーズが長く見え、8695は甲が高くなったこともあり爪先が丸く見えます。
7000はそもそもノーズが長く細い作りをしています。
土踏まずのラインで比較
画像では見えにくいですが、2246は土踏まずが低いのに絞り込みが強烈でソールとの境目がかなり奥へ追い込まれています。
8695は2246程ではありませんが現代の靴を考えればかなり追い込まれています。
7000はプレステージラインでハイグレードな作りをしているせいか土踏まずの絞り込みは8695よりも強く見えます。
それよりも700が特徴的なのは土踏まず側の革の量に余裕を持たせた膨らみがあることです。足の裏、地面に接していない土踏まずからしっかりとアッパーはフィットさせつつも締め付けすぎない様にしているということです。
まとめ
一枚の画像で比較すると言うかなり雑なまとめでした。
本当はソール側や上からの画像も使うと特徴はもっと分かりやすいはずです。
しかし細かい点まで比べてみたところでやはり履いてみないと本当のところは伝わらないと思ったからです。
それでも何かの参考になればと思います。
2246ラスト
2246は全体が低く作られています。吊り込みによる強い立体感が歩くたびに足を締め付ける方向で馴染んでいきます。
特に土踏まずの革が張っておりフィット感が強く長く履いていると疲れてしまいます。
すでに購入できませんがダービーには最も良く合うと感じるラストです。
8695ラスト
8695は甲は高く芯が硬く作られて靴紐を締めるとスキーブーツの様なガッチリとした一体感があります。ヒールカップも大柄で立体的で合わない人には合いません。
しかし合う人にとっては、圧迫感は弱いのにガッチリと抑え込まれた安定感がある独特の履き心地が得られます。
特に不安定になる足が返る瞬間も横にブレず真っ直ぐに歩けている気がします。歩き方すら正しく矯正されるのがジョンロブの素晴らしいところです。
ダービー、オックスフォード、どちらにも良く合います。プレーントウにはノーズが短いためイマイチ好きになれませんでした。
7000ラスト
7000は上から見ると踵から爪先までが一直線につながるノーブルなラストです。
ビスポークにも通じる美しさです。
ノーズは長く甲も高めで立体感を、それでいて土踏まずも吊り込みもしっかりとしています。
よく現代的と言われますが履き心地の良さと圧倒的に美しいフォルムが魅力です。
ダービーモデルも出ていますがイマイチバランスが悪く感じますので、ブーツやオックスフォードがオススメです。
ただしモードな雰囲気のせいでカジュアルな装いには合わせにくい場合があります。
236ラスト
今回比較しなかったC&Jのラストです。
吊り込みや靴の立体感は素晴らしいのですが、履き口が大きくヒールカップは低く立体感はこの中で最も劣ると言う印象です。
ソールも異常に硬いです。
しかし履き込んでいくと靴の立体感がどんどん増していき、ソールも返りは良いのに安定感のある独特の履き心地になっていきます。
なによりC&J製の革質は格段に良いです。
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