社会人になってから旅行にはブーツ、そう決めていました。
旅行といっても国内でまともな旅行というのは実はほとんどしたことがありません。
バイクと青春18切符による旅行がほとんどで、観光地を回るとか名物を食べるとか、そんなことはあまりなく目的地にたどり着くことが目的という感じでした。
小さい頃から冒険映画の見過ぎでそれを疑似体験することが旅の目的になっていました。
だから足元はブーツじゃないといけない、特に社会人になったからには、ということで試行錯誤の末たどり着いたのがダナーでした。
ダナーとは
今更語る必要もないアメリカを代表するワークブーツメーカーです。
アメカジワークブーツの入門であり基本のレッドウィング、デザインは程々に機能はハイテクでハイキングや登山といった歩くことも視野に入るのがダナー、もっとタフでアメカジに心酔していけばいつかはホワイツやウェスコといった具合でしょうか。
ダナーは良質なフルグレインレザーと屈曲部にはコーデュラナイロン、世界初の靴下状のゴアテックスをインナーに使用した完全防水、味の出るレザーと軽量性や屈曲性も犠牲にしないナイロンを組みあわせた完璧なブーツ、ダナーライトが代表作です。
古くからのトレッキングブーツのデザインにゴアテックスを内蔵して機能性も犠牲にしないフルレザーのマウンテンライトも中核を担うモデルです。
ダナー バーンサイドとは
1999年に800足限定で発売され、その完成度から今ではプレミアも付いているモデルです。
ダナーライトのブラウンモデルに使われるカーキのナイロンとブラックモデルのレザーを組みあわせたモデルで、数あるダナーの限定品の中でも1、2を争う完成度のモデル(だと思っています)。
バイクに乗る私にはバーンサイドと言う名称にも運命を感じました。
運良く二足も手に入れましたが一足はあまりにも酷使しすぎて10年でボロボロにしてしまいました。
旅行はもちろん、バイクと登山にも使っていたのが原因です。
しかし酷使した10年で価格はどんどん高騰し購入した値段と同じ値段で売れていきました。
10年で多少表面的なひび割れができたり爪先付近の糸切れはできたものの革の切れや浸水、その他機能的なダメージはなく新品には無い強い光沢と滑らかな革を見てますますダナーのファンになりました。
その後二足目を開けた時、一足目には無いのっぺりとした雰囲気になんだか味気なさを覚えました。
それと同時に手入れにはしっかりと答える品質の高さがこのブーツにはあることを身をもって体験したのです。
私とダナー
バーンサイド一足目を履いていた頃は、もうブーツは全てダナーで良いんじゃ無いかと思う様になり10足ほど集めました。
ダナーライトのブラウン、スエードのバンクーバー、マウンテンライト、ヌバックのダナーライト、スエードとレザーの組み合わさったエクスプローラー、ナイロンをケブラーにしたケブラーライト、ポリス仕様のブラックフルレザーのパトロール、色違いや年代違いもありました。
それでも今も手元にあるのはバーンサイド一足、コレクションではなく相棒としていつも着用していたのもバーンサイドのみでした。
その理由は他のモデルを履くと結局アメカジっぽくなってしまうからです。
バーンサイドはヨーロッパの街並みや石畳でも履けるモンキーブーツの様な雰囲気があります。
モンキーブーツもワークブーツですが英国各メーカーのラインナップにも存在しています。
都会的だが自由に旅するための機能性は犠牲にしないタフネスさ、と言う思い描く雰囲気はバーンサイド以外では成し得なかったのです。なんとなくGショックやアークテリクスにも似ています。
今はダナーを増やそうと言う気は起きませんが、一足だけダナーライト20周年モデルと言うオールヌメ革のモデルのみ手に入れたいと思っています。
これならトリッカーズのマロンカラーの様な着こなし、ジーンズだけでなくトラウザーに合わせることもできるのではと想像しています。
どんな人にダナー?
初めて買ったブーツがレッドウィングだったこともありとびきりこだわって一足だけレッドウィングを手元に置きたいと思いながらも未だに実現していません。
服装的にもアメカジとはちょっと違う私があえてレッドウィングを履く必要は無いんじゃないかと思いますがダナーとお互い補完し合う関係になるのではないかとも思えるのでいつかきっと自分の一足に出会えるのではないかと思っています。
双方をいくつも履いてみて、共通する点、相反する点は下記の様な点かと思います。
足し算で考えても共通項が多いので引き算で考えていくとどちらがより向いているのか分かるので無いかと思います。
英国靴と迷っているのであれば両方買うべきです。
逆引きダナー:こんな人にはダナーが似合う
- ダナーはバイクに似合う。
- ダナーは草むらや泥、水たまり、砂利、岩場に似合う。
- ダナーはゴアテックスのハイテクアウトドアパーカにも似合うしローテクアウトドアパーカにも似合う。
- ダナーはアークテリクスの様なハイテクザックにも似合うしヘンプやレザーのローテクザックにも似合う。
- ダナーは爪先からのレースアップなので多少細身で無骨さは劣る。しかしミリタリー感もある。
- ダナーは完全防水である。
逆引きレッドウィング:こんな人にはレッドウィングも良い
- レッドウィングはバイクに似合う。
- レッドウィングはゴロゴロした岩場は似合わない。板張りや砂埃、アスファルトに似合う。
- レッドウィングはゴアテックスのハイテクアウトドアパーカは似合わない。ローテクアウトドアパーカが似合う。
- レッドウィングはハイテクザックに似合わない。ヘンプやレザーのローテクザックが似合う。
- レッドウィングにミリタリー感は無いがワーク感、アメカジ感は抜群である。
これからダナーを買うなら
ダナーはタグで作られた時代が大きく分けられ品質も区分分けされます。
白プリントタグと呼ばれる時代以降はフルグレインレザーに強いウォータープルーフ加工がされる様になりました。(それ以前でもなんとなくそんな雰囲気があるダナーライトもあるがどうなのでしょう。)
これが育てるにはいまいちで擦れると表面加工が剥がれてきます。
シワも太く膨らんでいかにも加工された革と言う感じがします。
いくら機能性が高くても上質さが無いとコーディネートにも影響が出ます。
最低でも黒プリントタグ、さらにそれ以前のプリントでは無い黒タグになると革が明らかに厚く革質自体も格段に良くなります。ただしそのせいで少し重く屈曲性も悪くなります。
軽やかな履き心地なら黒プリント、透き通る透明感と綺麗な色ムラに育つ革質にこだわりたいなら黒タグ以前がおすすめです。
辛抱強く探せば80年代からの使用感の薄い物も見つかります。
ワークブーツですの手入れがおろそかになっている物がほとんどで、履く前には念には念を入れ、何回にも分けゆっくりと時間をかけて手入れをしてから履く必要があります。
良い革というのは手入れを受け入れるキャパが広く手入れをすればする程に質が良くなっていきます。新しいものであれば回復するとも言えます。
今から20年は前の靴になりますから自分に合うサイズとなると簡単には見つからないかもしれません。
ですが苦労の甲斐があったと必ず思わせてくれるだけの靴がこのダナーライト、マウンテンライトです。
どんな時でも履いていける機能性、現在は生産することのできない極上の革質、履いていても置いていても所有欲を満たしてくれる最高の相棒になります。
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