テロワールを求めて

趣味(靴、旅、道具、バイク等)を通して自問自答し理想の自分を導き出すまでの道すがら。

麗しきブラインドフルブローグの共演 【JOHN LOBB WIDNER,WARWICK,WARWICK LOAFER】

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気づいたら揃ってしまったジョンロブのブラインドフルブローグ達です。

ブラインドフルブローグと言うとちょっと変わり種、変化球の様に感じますが個人的にはセミブローグ、フルブローグ以上に感性にフィットします。

旧チャーチを所有していた頃は内羽根のストレートチップセミブローグ、フルブローグ、外羽根セミブローグ、フルブローグと穴飾りのあるモデルを多数所有していましたが、ジョンロブを集め出してからはどんどんシンプルでプレーンなモデルが増えていきました。

黒靴はブーツ含めてストレートチップとプレーントゥしか持っていない私にとってブラインドフルブローグは少し飾りたい時には貴重なのです。

 

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ブラインドフルブローグとは 

ブラインドフルブローグとは通常のフルブローグの様に爪先に鳥の羽根の様なW字の切り返しを持ち、かつパーフォレーションやメダリオンと言った穴飾りが一切装飾されていないモデルを言います。

スマートでありながら切り返しが多く僅かに遊び心を感じさせるモデルです。

JOHN LOBB のブラインドフルブローグ

WIDNER

たくさんのパーツで構成されていますが穴飾りが無いため、程良い装飾に感じます。

8695ラストのメリハリのある木型に沿う様にパーツパーツが組み合わされており、同じ木型の内羽根ながらCITYやGARNIERよりもグラマラスに感じます。

パーツの縁は全てギザギザのギンピングで装飾されております。

羽根の付け根以外は全てシングルステッチでギンピングが目立ちます。

セミブローグやフルブローグとは違った艶ややさが特徴です。

やはり漆黒と光沢が似合います。

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WARWICK 

エルメスのデザイナーに完璧なシューズと言わしめたモデルがWARWICKです。

艶々で黒光りするWIDNERに対して、ブラックミスティカーフのためキラキラとパールの様な光沢があります。

全ての切り返しが並行に走るツインステッチで縫われており技術の高さや手間がかかっていることがわかります。

ツインステッチでしっかりと押さえられたパーツパーツの境目がフラットでソリッド感が増しシャープに見えます。

7000ラストのノーズとウィングチップのバランスが大変美しく、7000ラスト最高の一足であると思います。

よく見ると7000ラストの縦の流れに沿った見事なパターンです。これは車でいうとレクサスが意識するプレスパターンに通じるものがあります。

そのためWARWICKはモード、ソリッド、シャープ、クールと言った落ち着いた印象を受けました。

色気を追加したい場合のプラムカラーはバリエーションの一つかと思いますが、茶系にすると急にフルブローグのカントリー感、とまでは行かなくとも小慣れたカジュアルな雰囲気になってしまい印象が変わってしまいます。

市販には無いですがネイビーとの相性が抜群では無いかと思います。

 

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WARWICK LOAFER

WARWICKがありながら黒のローファーが欲しくてつい手に入れてしまったのがWARWICK LOAFERです。

それまではLOPEZをロングノーズにしたFENCOTEを考えていましたが黒ならコインローファーではなくモードなスリッポンを考えても良いかなと思ったタイミングでつい手が伸びてしまいました。

WARWICK LOAFERのベストカラーはプラムだと思っているのですが、黒のローファーを持っていないため個人取引で譲ってもらいました。

WARWICKが無ければそれでも良かったのですが後からWARWICKの黒がやってきたためかぶってしまいました。

ロングノーズでモードなローファーと言うとPHILIP LOAFERやEDWARDもありますがWARWICK LOAFERは珍しいブラインドフルブローグローファーと言うものを完璧にものにしています。

決してWARWICKの変形ではなく単独モデルとしてペットネームを与えられても十分な完成度です。かつてRUSSELとMORTONがが同じ様な関係でありました。

PHILIP LOAFERは正直、履き心地もデザインもいまいちでPHILIPの変わり種、脱着の煩わしさの解消と言う雰囲気を出ません。

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モデル比較

WIDNER VS WARWICK

700ラストのWARWICKの方がロングノーズであり爪先側のパーツが大きく取られています。

それでいて幅は狭いためシャープ、スマート、モードな雰囲気です。

逆にWIDNERはクビレやすぼまりが強調されたメリハリのある8695ラストです。さらにパーツの切り替えがちょうどメリハリのある部位を強調する様に組み合わされておりエレガントに見えます。

プレステージラインとクラシックラインですのでヒールの高さや大きさに違いがありますが重心の高さが雰囲気の違いに影響しているのかもしれません

WIDNERはクラシックラインながらコバの仕上げが丁寧で手間のかかる仕上がりになっています。ソール裏もブラック、インソックもブラックにゴールドロゴです。

軽い雰囲気ならWARWICK、重い雰囲気ならWIDNERと使い分けています。    

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WARWICK VS WARWICK LOAFER

たかが紐が有るか無いかの違いですが見事に差別化されています。

ローファーはドレスシューズに見立てたラグジュアリースニーカーとでも言うべき軽快さと現代的なバランスに仕上がっています。

シューレースが無く甲が一枚になっているせいか、モード感が増した印象がありますが、実際の7000ラストは今では標準程度のノーズですのでパンツと合わせてみると普遍的なバランスです。

甲のパーツが少し足首側へせり上がって履き口よりも上にかぶさっているのがポイントで、角は丸くカーブさせるのではなく四角くエッジを立たせてあることはさすがエルメスとも言うべきハイブランドのセンスだと関心します。

古い靴にもフルブローグローファーはありますがカントリーや民族衣装の様な余りにも古臭く感じるデザインで、とてもこの様にラグジュアリースニーカーの様に感じることはできません。

クラシックなだけのシューメイカーにはこの様な靴は作れないのではないでしょうか。

そう言った意味でもカラーリングはもっと艶やかなもので靴が引き立つ方が良かったと思ってしまいます。

 

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まとめ

本当は揃えるつもりは無かったので、全て黒ではなく色が変わっていた方が良かったのでしょう。

そもそもWIDNERを手に入れた時にブラインドフルブローグは十分だったのですが、WARWICKと言う場所への思い出から諦めることができませんでした。

それならばWIDNERを手放せばとも思いますが、実際に目で見て、履いてみて、比較して見るとやはり違いを感じてしまい手放すことができません。

ローファーもやはり黒を持っていないこととコインローファーとどちらが良いかと思えばWARWICKだなと思ってしまいます。

こうなればWARWICK最後のバリエーションである外羽根2アイレットまでも手にして、今度こそプラムカラーのWARWICK DARBYだと次なる目標を定めることにしたのでした。

やはりブラインドフルブローグが私は好きなのだなあと思うのです。

 

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