これまで200足以上は靴を購入してきました。
ようやく見つけたジョンロブ パリと言う全てを満たす靴。
靴は眺めるものではなく履いてこそだと自分に言い聞かせ、全てを満遍なく履ける様にと手元には30足までと決めてきました。
しかし我慢していても少しずつ増えていきそうな思いを正当化するために閃いたのが靴の衣替えでした。
これによってさらに数足ジョンロブを所有する余裕ができました。
春夏はローファーを、秋冬はスエードやロングブーツを中心に入れ替えます。
眠りにつく靴
この度、入れ替える靴は 春夏に履いたローファーとプレーントウダービーになります。
足の甲が出るローファーは夏は意外な程快適です。冬も年内は問題無いのですが冷え込む日や年明け以降になると寒さを感じます。
プレーントウは最も好みの靴のタイプなのですが、秋冬のフランネル生地に対するとスマートすぎる様に感じるために入れ替え対象となりました。
ロングノーズでモードな雰囲気も少し寒々しい気もします。
WARWICK LOAFER
ローファーですがロングノーズのラスト7000を使用していてエレガントな雰囲気です。
靴だけ見るとモードすぎてラグジュアリーブランドっぽい押し出しが強すぎるのではと思われるのですが、実際に着用すると2、3アイレットの靴の様なイメージで着用できます。
このタイプ(オックスフォードの派生の様なローファー)はEDWARDやPHILIP II LOAFERも持っていたのですが、靴紐が無いけどブーツでも無くアイレット付近の切り替えがそのままであるバランスがイマイチ間抜けで手放してしまいました。
WARWICKは甲が少し伸ばされていることと切り替えパターンの変更、ウイングチップやヒールパーツと言った切り替えのバランスにより違和感がありません。
ブラインドフルブローグが好き過ぎてWARWICKや前モデルWIDNERも持っているためローファーはブラックでは無くプラムやブラウンで、という思いもありますがブラックのローファーはこれ一足なのが悩ましいです。
もしロペスの異素材コンビのブラックが手に入ってしまうどうなるか分かりません。最もどちらも既に完売のため世界中の誰かから巡り巡って手に入れるしかないのですが。
LOPEZ
ロペスはミュージアムカーフとコンビを持っています。
コンビは90年代初期の旧ジョンロブC&J製です。
C&J製は土踏まずの内外のくびれやウェルト付近の釣り込みのカーブは現行を圧倒しウットリする美しさがあるのですがヒールカップの作りがイマイチなので結構手放してしまいました。
ですがローファーに関してはヒールカップの食いつきも完璧で、紐が無いのに足を全方位からピッタリと優しくもしっかりと抑えるフィット感があります。
C&J製はLOPEZの黒茶、RIO、CAMPUSと言うジョンロブを代表するローファー全てを所有していた時期もありました。
幅が狭いせいかノーズが長く見えますが新に比べるとクラシカルなシルエットです。
新になってから限定でコンビLOPEZがありましたが旧の方が良い色と革質、雰囲気でした。
コンビシューズを一足は持っていたいと考えた時にデザインや合わせやすさ、色味等考えてもこのC&J製LOPEZしかないとなったので残りました。
ディテールの特徴としてはC&J製は甲のモカがハンドステッチではありません。
新LOPEZはハンドモカも特徴ですが全体が丸みを帯びているラグジュアリー感が特徴です。
ヒールカップや爪先、サイドの釣り込みなど見るからに包容力とリラックス感のある丸みが特徴なのですが全体的に高さを抑えた作りなのでポッテリ感は感じません。
LUFFIELD
スクゥエアトウのプレステージライン、ミュージアムカーフブラックです。
コンコルドをモチーフにしたという靴で低くシャープなノーズや切り替えしが素晴らしい完成度です。
同じ2アイレットプレーントウのプレステージラインには7000ラストのMARSTONと言うモデルもあるのですが圧倒的にLUFFIELDの方が好みです。
甲が高く丸みを帯びている7000ラストはプレーントウの短靴だとカジュアルな気がしてプレステージラインのモード感やラグジュアリー感が消えてしまっている気がします。
逆に5アイレットになるとノーズが長くなりすぎずにバランスよく見えます。
TAMAR
ポールスミスのコラボモデルとしても採用されたモデルです。
スクウェアトウのクラシックライン、クラレットミュージアムカーフは派手さは無く赤錆や古いワインの様な赤です。プラムの様な紫の風合いはありません。
ジョンロブなのにベルルッティの様な雰囲気があり気に入っています。
この色はプレーントウが良く似合います。5アイレットのCITYやGARNNIERといったクラシックすぎるモデルだと色が悪目立ちして着用機会を選びそうです。
目覚める靴
スエードの短靴とブーツです。
明るい色のスエードは通年使える様に出しっ放しですが、濃色のスエードは秋冬が出番です。
AVON
珍しくラスト8000を使ったセミブローグです。
8000は甲が低くクサビの様な雰囲気のためプレーントウと相性が良いのですがストレートチップだと平たいノーズとのバランスが悪く感じます。
しかしスエードとセミブローグの穴飾りのボリューム感が丁度良く、甲の低さを感じさせません。
ノーズのスクウェアにだけ目が行き、エドワードグリーンやガジアーノ&ガーリングの様な純英国ラグジュアリーブランドの様な雰囲気があります。
ブラックと平紐もシックな装いでありながら柔らかい雰囲気にもなります。
同じセミブローグかつスエードだと丸みを帯びたラスト8695はカントリーやオフの日感が強くなりすぎ、ラスト7000は悪くはないですが個人的にはラスト8000のAVONがベストです。
DARBY
ラスト8695はDARBYの様な外羽根5アイレットと相性抜群で何足も所有しています。
木型のメリハリが各パーツの位置と重なることでより立体感が強調されます。ディテールはカジュアルなのにシルエットによってエレガントでもあります。
DARBY自体もお気に入りで黒、バーガンディ、ライトブラウン等ずいぶん買いましたが残ったのはタバコスエードです。
ラストのせいでもありますがシングルソールのおかげでカントリー感が緩和され、さらに元々カジュアルなブラウンスエードですので内羽根モデルと変わらない雰囲気です。
DARBYはダブル仕様の重めのバランスが個人的にはしっくりくるので、機会を見てダイナイトソールのダブル仕様に変えたいです。
コバは明るめの茶色にしてソールやウェルトの層が見える様にすると適度なカジュアル感になるのではと思います。
イメージはエレガントなトリッカーズです。
今でも靴は悪くはないのですがあまり出番がありません。
同じブラウンスエードならついブーツを着用してしまいます。
同じラスト8695&スエード&シングルソールの内羽根と外羽根を比較。
どちらも悪くないどころか靴単体で見るととても美しいのですが使用機会はほとんどありません。
年に5回あれば良い方です。
GLOSTER
トリッカーズ モールトンの様な外羽根フルブローグのダイナイトソール ダブル仕様です。
かつてラスト8896のスクウェアトウもありました。
ラスト8695の良さを堪能できるモデルです。厚いソールがどっしりとしてブローグにも迫力があり騎士の様な荘厳さ、ブラックスエードが絶妙なマッチングです。
ブラックではなくブラウンスエードであればカントリーな雰囲気にも変わりますが個人的にはドレッシーであってほしいモデルです。
ポールスミス別注品の様なネイビーやダークグリーンの様な遊びのある重い色も良いかもしれないと妄想捗ります。
また、もう少しドレッシーな雰囲気にハーフミッドソールはいかがでしょうか?
JODPHUR II
大好きなJODPHURの後継でカジュアルドレッシーなモデルです。
ラスト7000でロングノーズかつハイトは低め、乗馬用をモチーフとしたJODPHURを見慣れているとブーティの様にも思えてきます。
巻きストラップの位置から上にはみ出すアッパー部分も少なめなせいで余計に低く見えます。
シルバーのバックルやリバースエードのストラップ、ストラップを通すループと言った見栄えの良いディテールが多数ありドレッシーに着飾ったブーツと言うイメージがあります。
色もラグジュアリーなピュータースエードです。
ピュータースエードはジョンロブならではの色でグレー、オリーブグリーン、ブラウンといった色味が混ざり合い光の強さや見る角度によって色が変わります。
調子に乗って多色スエードスプレーでケアをしすぎたため、油分を含みすぎてなんとなくオイリーな風合いになってしまいました。
WATTON
あまり見かけませんが大好きな靴です。
ハイトの高いサイドゴアブーツ、サイドゴアにはスムースレザーの異素材パネルが縫い付けられています。
クラシカルなディテールですがラスト8000のため現代的なシルエットで古臭さは感じさせません。
ラスト7000、8000のプレーンなブーツはノーズの美しさと甲の立ち上がりが絶妙です。
編み上げタイプになるとロングノーズのせいで逆に力強さを失わせるので好みではありませんが、紐が無い場合はエレガントです。
特徴が真逆に出るラスト8695とは対の存在となり面白いです。
このディテールのブーツは格式高いものだと思っているのでヒールを高くしています。
イタリアの展示会PITTI UOMOにも履いて行った思い入れのある靴です。
靴をしまう前の準備
入れ替える靴は春まで半年出すことはありません。
そのため、しまう前にしっかりと手入れをしておきたいです。
アッパーの手入れ
個人的な決め事ですが、しまう前にアッパーの古いクリームを拭き取って油分豊富なローションを塗っておきます。
油分が豊富なローションはしまっている間にも浸透して革を馴染ませてくれます。
10年やそれ以上前の靴で革の内部が乾燥しているとしまっている間にシューツリーのテンションで甲が薄くヒビ割れることがあります。
表面だけで無く革自体がもっちりとしているか確認が必要です。
その様な靴にはサフィールノワールのミンクオイルと薄めたグリセリンで手入れをすると良い状態の革になります。
通気も考えてシューツリーを抜いて保管するべきかもしれません。
最近はサフィールノワールのレザーバームローションがお気に入りです。
少し多めにクロスに取って拭き取ると古いクリームを良く落としてくれます。
表面のクリームが厚いなと感じた場合は、薄く塗って時間をおいてから再度バームローションで拭き取ります。
同じ様な用途のレノベイタークリームでも良いのですがレザーバームローションの方が伸びが良く拭き取りメインに向いている気がします。
コロニル シュプリームはモデルチェンジ前からずっと使ってきた安心感があります。
手入れをしっかり行っていてバームローションだと油分が強すぎると感じる場合はシュプリームを使います。
たくさん塗ってもベタベタする様なことはありません。
ブラッシングはコバやソールを普段よりも入念に行い土埃を落としておきます。私は最後に濡れタオルで拭いています。
ソールの手入れ
アッパーよりもソールの手入れが重要だと思います。
土の成分で革を痛める気がします。
車やバイクでも土汚れを放置すると悪いのはソールも同じだと思います。
ソール専用ブラシは便利です。
普段からソールオイルを使ってブラッシングしているとこの様な場面でブラッシングだけでもソールに多少の油分が補給されるようになります。
こちらも最後に濡れタオルで拭きます。
雨の日に履いたりしてレザーソールに小石がたくさん詰まって取れない靴はメラミンスポンジを使うと簡単に綺麗になります。
余りにも綺麗になりすぎるのでソール用ブラシがいらない気もしますが、靴がたくさんあるとメラミンスポンジでの手入れは大変です。
普段からソールをブラッシングしておくと後が楽になります。
ソールの修理
出してすぐに履ける様に修理する部分は先に行っておきます。
ヒールの交換は済ませておくと次に出した時に軽く磨くだけですぐに履けます。
靴をしまう
靴の底同士を合わせてしまうとアッパーに痕がつきません。
痕と言ってもブラッシングで落ちる程度のものですし、ブーツであればこの方法では箱に入りません。
シューツリーを抜いて乾燥剤を入れておいた方が良いかもしれません。
その場合、シューツリーをまとめて保管する必要もあります。私は綺麗なシューツリーほど気に入っている靴にセットしているので外してまとめてしまうと後で戻す時に苦労するのではと言う思いがあって入れっぱなしにしていました。
ところが今年の夏にしまっていた靴がソール中心にカビてしまったので保管方法を考える必要がありそうです。
これからは季節ごとに最低2回は箱から出そうと思うのでその時にシューツリーを別保管にするか決めたいと思います。
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