テロワールを求めて

趣味(靴、旅、道具、バイク等)を通して自問自答し理想の自分を導き出すまでの道すがら。

クロコダイルの腕時計ベルトとお手入れ 〜カミーユフォルネとJ.C.ペラン〜

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ちょうど一年半程前に入手した腕時計用のクロコダイルベルト、ブラックは先に手に入れた旧J.C.ペラン、ブラウンは昨年春に手に入れたカミーユフォルネです。

メタルブレスだとどうもスポーティすぎたり古臭さを感じてきた頃、試しにクロコダイルベルトを合わせてみたところクラシックで何とも言えない雰囲気、革靴の輝きともしっくりきます。

ベルトだけで時計が一本買えるほど高いくデリケートで使いづらくもあるのですが、今後もずっとクロコダイルベルトを付けていたいと思わせる魅力があります。

次の時計はメタルブレスがベストと思えるロレックスのスポーツモデルを狙っていますがそれはしばらく先になりそうです。

一年使ってみてクロコダイルの腕時計ベルトはどうなのか、腕時計ベルトの手入れ、合わせてブランド比較をしてみました。

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私とクロコダイルの出会い

時計の革ベルトとしてカーフやリザード、クロコダイルと比較してみましたがやはり高いには高い理由があり、クロコダイルには圧倒的な風格があり時計も格上げされた様な感覚でした。

クロコダイルと紹介されていながら正確にはミシシッピアリゲーターだそうです。

紋様は四角い竹符、手縫い、丸く盛り上がったボンベ仕様、というイメージはすぐに決まりました。

ですが柄や色のバリエーション、ブランドも複数あるものの一箇所で比較できるショップが無くブランドとカラーはなかなか決めきれずにいました。

そんな時、ふと旧J.C.ペランのクロコダイル一点物を見つたのですが、それまで見てきたどのクロコダイルよりも上等な物に見え即購入したのでした。

本当はブラウンを探していたのですが一点物だったのでブラックを先に手にしました。

旧J.C.ペランはそれ以後見かけることは全くありませんでしたのでこの時手に入れてよかったです。

一つ目の色とブランドがが決まってしまえば次は簡単です。

ブランドはカミーユフォルネ 、色はブラウン、ということで時計を持ってショップへ行きブラウンのバリエーションと模様の入り方を現物合わせです。

カミーユフォルネには10種類以上の豊富なカラー、ブラウンにも複数がショップでは用意されていました。

たかがベルト、されどベルト、文字盤が黒か白か、ベゼルがステンレスかホワイトゴールドか、によってしっくりくる色が違いますし、模様の入り方にも好みがあります。

私はロレックスのデイトジャストとエクスプローラーしか持っていないのですが、ブラウンは基本はデイトジャスト用だがどちらにも合わせられる色にしようと考えていました。

クロコダイルの腕時計ベルトを使ってみて 感想と注意点

クロコダイルは高いです。おおよそカーフの倍ほどの値段です。

しかしなんともいえない高級な雰囲気、上品でありながらも強い押し出し感もあります。

昭和の時代、スリッパやクラッチバッグのテカテカがクロコダイルだと思い込み下品な成金をイメージしていましたが、マット加工というものもありメンテによって適度なツヤ感を与えることができます。

四角い模様は型押しではない本物の立体感と天然の色ムラ、触れた時のツルツルとしつつもしっとりとも言える不思議な感覚があります。

 

ただしクロコダイルは強烈にデリケートです。

使用初めからカーフの様な芯を感じないしなやかな柔らかさでですが、実は柄と柄の節目から屈曲することになっておりこの節が割れやすいのです。

また表面が水を吸収しやすく簡単に水を吸い、ムラ(水シミ)になりやすいです。

水に濡れると表面が剥がれやすくもなります。

強い屈曲を頻繁に行い水にも触れやすいという腕時計のベルトと言う用途はクロコダイルの弱点とかなり近しいところにいます。

私も初めから使いやすいことで油断していたのですが夏にダメージを負ってしまいました。

節目のひび割れ

わずか半年で部位によっては節が割れています。この程度はクロコダイルにとって大したことは無い変化と言うレベルなのでしょうか?手入れ次第だったのでしょうか?

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表面の剥がれ

バンド留めが二つありその一つは直接肌に触れるのですが、夏の汗のせいで短い期間であっても肌に触れる部分の表面が剥がれてしまいました。 

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気をつけるべきだった反省点

一年間使ってみて、夏は注意だがそれ以外にも基本的に無頓着ではいけないベルトであると感じました。

最近はクリームはサボり気味でしたがベルトの状態を常に観察し、取り扱いを意識する様になってからは劣化は進んでいない様子です。

  1. 夏に外から建物内に入ってくる様な汗をかいた後は必ず手から外しタオルで拭く等、多少であっても水切りはするべきである。少しでもするかしなかではかなり違う様な気がします。
  2. クリームと磨きは毎週行うべきである。状態の変化も察知できるし水に弱い特性があるからです。
  3. 私は実践できていませんが、毎日使わずしっかり乾燥させた方が長持ちすると思います。

良いクロコダイルの腕時計ベルトとは

良いクロコダイル自体が手に入りにくくなっていると聞きます。

良いものは鱗が細かいです。

鱗が密集している部位もあるのかもしれませんが、詰まっているということは成長前のクロコダイルですから成長しすぎたものよりも柔らかく一頭から取れる分量を考えても貴重です。

そして屈曲時は節から曲がるので節同士が離れていると屈曲部が少ないためベルトも痛むし付け心地も悪くなります。

そのためバックルに通す穴付近は節が集中しているものが良いです。さらに穴付近の節は細かく穴の間隔と同じバランスで均等になっているものが良いです。

同じ色、同じ価格でも均等に節があるものと穴付近で節が密集しているものとショップで混ざっているので全て見せてもらう必要があります。

触った時にしなやかさがあるものが良いです。しなやかなものは節で無い部分もある程度曲がりそれに伴い節部分の屈曲量が小さくなります。

柄も一点一点それぞれ異なりますが良いものを美しいと思える直感も必要なのかもしれません。 

クロコダイルの腕時計ベルト 手入れ

 私は手入れ用品の基準はサフィールですので、エキゾチックレザーの手入れもサフィールのレプタイルクリームです。

 コロニルのシュプリームも同様に使えて綺麗な風合いも出ました。

しかし何となくエキゾチックレザー専用のレプタイルを使うことにしています。

クロスで薄く塗ってしばらく経ってから乾拭きするとツヤと色の深みが出てきます。

毎週塗ってよく乾拭きするくらい頻繁な方が良い様な気がしますがついつい後回しになってしまっていました。

単純なので今後はせめて月一で手入れできる様に心がけ経過を観察していきたいです。

またバックルを止める際には強い湾曲が起きるのでいつも痛まないか心配だったので、金具にベルトが固定されたDバックルと呼ばれるワンタッチ式の開閉金具を取り入れようと思っています。

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カミーユ フォルネとジャン クロード ペラン 

カミーユフォルネとジャンクロードペラン(J.C.ペラン)は腕時計ベルトのブランドとしては数多くの高級ブランドのベルトも手がける超一流ブランドです。

やはり他よりもしっかりとした風合いがあります。

さらに旧J.C.ペランはペラン氏本人が手縫いしていた頃のモデルだそうで新旧明確に区分けされています。

私に持っている旧J.C.ペランはカミーユフォルネよりも縫い糸が太くワニの鱗一つ一つに立体感と風格があります。

同じボンベ仕様(中央が膨らんで厚みを持たせて湾曲している)でもJ.C.ペランの方が厚みのある盛り上がりをして表情があります。

J.C.ペランは節だけでなく鱗部分も曲がり腕にフィットします。そのため節に過度に力がかからずひび割れにも強いと思われます。

 

さらに希少なポロサス クロコダイルと言うものがある様なのですが、より色の深みと立体感を感じさせる奥行きがあります。ぜひいつかは入手したいと思います。