トリッカーズ 190周年モデル 後悔の理由 〜 TRICKER’S TRAMPING BOOTS REVIEW 〜
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ブログを書かないうちに再びの靴の衣替えを行いました。
そのタイミングで一つ。
実は投稿休止の理由は投資によって資産が文字通り半減してしまったからです。
浅はかで恥ずかしい結果となってしまったため、浮上するまではしばらく投稿休止と決心しておりました。
ところが2022年は上昇の見込みも無さそうなのでようやく諦めと言う名の落ち着きを取り戻してきた昨今であります。
トリッカーズ 190周年モデル、幸運にもブラウンを所有しております。
私とトランピングブーツ
トリッカーズの投稿はどうやら2記事目の様です。
前回はロングハイトのライダーブーツです。
本当はサイドゴアブーツを先にしたかったのですが書くほどの内容がなかなか浮かびません。
そのライダーブーツもフルブローグ ダービーブーツのモールトンから何度目かの正直でしたが結局駄目でした。
どうサイズを変えても羽根が閉じてしまうのです。
プレーントウやモンキーブーツ等、他モデルで羽根が閉じないブーツもありましたが履き心地や外見がいまいちです。
多くの理由で私の足にはトリッカーズのレースアップブーツは難しいのではと少し諦めもありました。
ところがトランピングブーツはこれまでのトリッカーズとは全く違う履き心地の良さで良い意味で期待を裏切られました。
他よりも作りは良く履き心地がとても良いのです。
シルエットも素材もただのプレーントウ ブーツというだけではない独特の雰囲気があります。
この190周年モデルのブラックは既に完売、USED市場で探すしかありません。
これが後悔の理由です。
とても気に入ったもので黒茶両方所持したいと思ったのですが時既に遅し、揃えるのは簡単では無さそうです。
TRICKER’S TRAMPING BOOTS
トリッカーズ 190周年を記念して作られた特別モデル、ラスト、アッパー、ソール、全てを英国製で揃えた点は日本人好みな拘りでもあります。
それも無駄な拘りではなく、それぞれの良さをはっきりと感じさせます。
素材なのか、木型なのか、釣り込みや製造が丁寧なのか履き心地の良さは格別です。
アッパー
アッパーはクルーザーレザーと名付けられた細かいシボと艶消しのしっとりとした風合い、英国ピタード社のレザーです。
英国名門のグローブメーカー デンツでも使われている由緒正しきメーカーです。
私は15年以上前にバイク用グローブとして出会い、それ以来ディアスキン以上にベストな素材だと思ったのがピタードレザーでした。
一見すると頼りなさそうで生ハムの様な柔らかさですが引っ張りに強く表面も強い、艶消しでソフトな風合いはしっとりとして吸盤のように吸い付く肌触りが特徴です。
グローブには最高とされる通常のディアスキンと違い屈曲の奥で軋む感覚もありません。
グローブには別格に最適な素材ですがトランピングブーツにもぴったりです。
レースステイ、アイレット
トランピングブーツの特徴でもあるアイレット同士の前後左右の距離の近さ、これがとても好みです。
例えばライトアングルモカUチップブーツがジョンロブとエドワードグリーンにありますがその違いがシューレースの間隔です。
ジョンロブは間隔が近くノーブル、エドワードグリーンは感覚が広くクラシカルでトラディッショナルに感じます。
左右の幅が広いとシューレースでの調整幅は広がりますが甲の圧迫が面ではなくなり履き心地が悪くなります。
左右の幅が狭いと足幅は合っていないと羽根同士が重なってしまうこともあります。
トランピングブーツは靴自体は幅広ですが甲は低く足首も細いため、靴下が薄くても羽根が重なる心配はありませんでした。
シューレースのゴリゴリした感触はありません。とてもソフトに面で押さえてくれる履き心地です。
ラスト
質実剛健なトリッカーズと侮っていましたがフィット感の良さにとても驚きました。
特にくるぶし周りのフィットに特徴があります。
姿勢を変える度に前後に屈曲する足首のフィット感は短靴以上に靴の良し悪しを感じられます。
直立している時に足首がぴったりだと歩きづらかったり、逆に足首や履き口が太くてもフィット感が悪くなります。
トランピングブーツはくるぶしを起点にして短靴部分と足首部分が別物の様にフィットする立体感があります。
甲は左右から包み込む様にそして上面からすら押さえを感じ、踵にだけは芯が入っておりきれいに丸く上部はすぼまっており、くるぶしやアキレス腱付近は厚みがなく左右から薄くくびれて、足首はヒールカップから急激に薄く細くなっており前後に楕円形で土踏まず側に少しずらされています。
通常のトリッカーズは馴染むまでは足首部分には浮きがあり、馴染んだ後も革が柔らかくなることで履きやすくなっていくのみです。トランピングブーツの様なフィット感は望めません。
私にとってはジョンロブと並ぶフィット感でエドワードグリーン以上にも感じます。
甲前方が内側にずらされていて土踏まずのフィット感も良いです。
甲の外側に体重が流れず、歩いた時に体を自然に前に誘導してくれる安定感、ジョンロブに通じる特徴です。
爪先
トランピングブーツ専用の190ラストは幅広だと書かれています。
確かに幅広なのですが甲は低くフィット感は悪くありません。
特に小指側が低くなっています。
そのせいなのかシルエットは幅広なのにエレガントです。
爪先に芯が入っていないのもトランピングブーツの大きな特徴です。
履き手の足に合わせて平べったくなるのか高く丸みを帯びるのか履きこんでいくと味の出方に差が出てくると思われます。
ソール
ソールも一流、ベイカー社のオークバークが使われています。
トランピングブーツに使われている素材だけなのか業界全体的に質が落ちているのか繊維が粗く感じました。
これだと耐久性には疑問があります。
昔からですがオークバークはレンデンバッハの方が好みです。
馴染みが良く少し履いただけで足の返りは良く接地感もソフトで履き心地はとても良いです。
サイドゴアブーツのソールとの比較ですが確かに幅は広いです。
アッパーから見るとコバのハリが目立つだけで靴自体は幅広という野暮ったさは感じません。
サイドゴアブーツとの比較
レースアップブーツのモールトンは手持ちにはありませんので代わりにサイドゴアブーツのヘンリーと比較。
ヘンリーの爪先は細く丸く高さがあり、トランピングブーツは土踏まず側へのずらしや甲外側の低さが特徴です。
後方から見るとトランピングブーツの木型の複雑さがよくわかります。
親指側の張り出しは小指側の張り出しよりも前方、甲は土踏まず側にずらされ、踏まずの内外のくびれ、甲から足首へつながるくるぶしの反り、改めて比較すると通常モデルとの違いを感じます。
コバ全体が上面から見えるのはとても好みです。
まとめ
私は常々、服装を変えずに靴だけで雰囲気を変えられたら良いなと思っていました。
ですのでカジュアルなブーツは英国モノ、米国モノ、ドレッシー、アウトドア、ワーク、と揃えていくつもりでしたがどうも米国ワークブーツが趣味ではないようです。
ダナーは長らく着用しホワイツも一応は所有、今後はウエスコとオールデンもと思っておりますが、トリッカーズやエドワードグリーンを履いている方が外見的にも履き心地的にもしっくりきます。
トランピングブーツはそのどれにも通じる雰囲気がありながらもどれにもない魅力があり満足度がとても高いです。
もし黒も手に入れられたらホワイツすら手放してs米国モノはスパッと諦めようとさえ思わせる魔性の様な魅力を感じます。
ダナーだけは外見だけではない着用しての実績があるため手元に残すだろうと思います。
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