テロワールを求めて

趣味(靴、旅、道具、バイク等)を通して自問自答し理想の自分を導き出すまでの道すがら。

ペッカリー グローブ 比較インプレ『GANTIER CAUSSE』『DENTS』『SOLI』『MEROLA』

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イギリス旅行記をまとめるつもりでしたがなかなか手につかず。

ちょうど寒くなってきましたのでグローブのインプレと紹介をしたいと思います。

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昔はディアスキンを愛用していましたが今ではペッカリーオンリー、ベージュ(SOLI)、ライトブラウン(MEROLA)、ダークブラウン(SOLI)、ネイビー(DENTS)、ブラック(CAUSSE)と個人的に完璧なラインナップとなりました。

日本人は手の平が幅広で親指が短いらしいのですが、私は親指が長めで海外製で指と手幅のバランスで悩んだことはありません。

 素材の違い

価格的にはペッカリーが最も高価ですが、ラム、ディア、ペッカリーとそれぞれの特徴をメディアは伝えるべきだと思います。

メディアの伝え方のせいでペッカリーが手袋のゴールで他は価格的な意味で選ばれている様な雰囲気に憤りを感じずにはいられません。

ラムレザー

高品質なラムであればキメの整った肌理とキラキラとした光沢が魅力でスタイリッシュな雰囲気になります。

着用している時の突っ張り感の無いしなやかさも魅力でシワが細かく上品です。

色鮮やかなものが豊富で発色が良いです。

ディアスキン

全面の細かいシワが魅力でとても強靭です。ハムの様な柔らかさがありつつ表面は硬いため厚っぽく見えてスタイリッシュな雰囲気になりづらい気がします。

シワがありつつ馴染んでくると硬質感のあるツヤと光沢が増してきます。

ペッカリー

ペッカリー特有の均質な三つの毛穴が大きな特徴で、大小様々な細かいシボがあります。ディアスキンとは違うしっとりとした手触りと風合いで馴染みが早い様な気がします。

細かいシボはディアスキン同様ですが明らかに異なるしっとりとした風合いがあります。使い込むと光沢が出てきますがディアスキンの様なガラスの様なツヤとは違います。

元がしっとりした風合いなので育てた時の風合いのムラ感も魅力です。

海外ではカピパラ(カーピンチョ)もペッカリー扱いとされることもあるそうです。カーピンチョは水玉模様の様な毛穴とヌバックの様な起毛感があります。 

グローブ比較

手持ちは全てペッカリー、インナーはアンラインドとカシミアライニングがあります。

カシミアは暖かいですがデリケートでタイトフィットなドレスグローブでは毛玉や摩耗の心配があります。

特に指先や指の付け根の摩耗具合は自分でも気づかず気づいた時には穴が空いていたりします。

日本では補修ができるのかもわからず個人的にはアンラインドの方がおすすめです。

GANTIER CAUSSE

ブラックのアンラインド、甲のステッチ無し、ストラップボタン留めタイプです。

エルメスのグローブ製造を現在担当していると言われているフランスブランドで日本の入荷数が少なく希少な気がします。

エルメスは世界最高のセレクトショップと言う人もいますが全く同感です。

とにかく美しい素材とパターン、色違いやモデル違いが欲しくなります。

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タイトで私の手には指の長さも指幅、甲幅、手首のサイズまで全く隙間なくフィットします。

日本人にはもっともフィットする形状の様に感じます。

(手をひねって撮影しているため手の付け根にシワが寄っています。)

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同じペッカリーでも使われている革は他のブランドよりも圧倒的に上質です。

画像からもその高品質な革質はわかるかと思います。

ハンドステッチは太い糸でピッチは細かく整然と並びデザイン的なポイントになりますし、縫製の素晴らしさを常に実感できます。 

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デンツで有名になった指の間の別パーツ、いわゆる水かきはとても小さく縫製技術の高さが感じられます。また手の平側より手の甲側の革が大きくなっており自然な手の形を考えられた立体的なパターンになっています。

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DENTS

ネイビーのアンラインド、甲の三本ステッチ、手の平側ボタン留めタイプです。

ペッカリーと言えばデンツ!メンズ最高のグローブと言えばデンツ!とメディアでは常に推されていますが納得のイギリスブランドです。

個人的には有名なコーク(ライトベージュ)が革質も良くおすすめです。

以前ストラップカシミアライニングを持っていましたが伸びすぎて手放してしまいました。

デンツは伸び方に左右差があったりステッチムラがあったりとイギリス特有の品質ムラを感じますが使われている革質はかなり良いと思います。

コーク以外だとブラック、ネイビー、もおすすめです。

ブラウンはなんとなくですがもっと柔らかな風合いや色味のブランドが良い気がします。

私はベーシックカラーほとんど持っていたので、差し色にコークにするかネイビーにするかで迷いましたがネイビーは想像以上に良いものでした。

ブラックを持ってなくともハンドステッチとペッカリーの風合いはネイビーの方がよりマッチしている気がして大成功でした。

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コースよりはわずかに劣りますがペッカリーの革質は格別です。

ステッチ幅はコースよりも荒く均質さも劣りますがそれでも最上位です。

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デンツは親指が長く他の指は短いと言うインプレがあります。

別モデルで私も指が試着した時も指が短く一度見送った経験があります。

デンツだけかは分かりませんがペッカリーはすぐに伸びますので指で合わせるよりも幅で合わせた方が良いと感じます。

今回はぜか縦横ジャストでした。

写真を撮るために手を捻っているためシワができています。

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デンツの代名詞である水かきは大きめです。甲側が大きく、手の平が小さい立体的なパターンです。

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SOLI

こちらもコース同様エルメスのグローブを作っていると言われています。

画像では黒っぽいですがダークブラウン、カシミアライニング、イタリアブランドです。

私の持っているタイプはまさにエルメスと同じデザイン、セリエと呼ばれるボタンもエルメスと瓜二つです。

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サイズはジャストです。アンラインドも試着しましたが日本人にはおすすめのサイズ感です。

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デンツとは違う質感です。表面は硬質で光沢が強く、ディアスキンの様な風合いです。シワが深く荒っぽく見えますが抜群の光沢と縫製の細かさ、そしてデザインのおかげで上品です。

縫い糸のピッチは細かく糸もデンツよりも細く感じます。

あまり売っている場所が見かけませんがデンツよりも丁寧な作りで品質は高く感じます。

それでもデンツ独特の風合いは捨てがたいです。。。

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ご覧の様に水かきは小さく手縫いで仕立てるのは熟練の腕を感じます。

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MEROLA

ローマの休日で有名なイタリアのトップブランド、カシミアライニング、ライトブラウン、留め具無しです。 

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留め具がなく革質はふわふわしっとりと柔らかいこともあり少しリラックスした感覚です。

しかし指の長さは全てジャスト、使っていくと光沢が増し色も濃くなる風合いの変化が魅力です。

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糸は細くデザイン的にはスマートです。薄いブラウンのせいかペッカリーの三点毛穴がよく目立ちます。水かきは付いていませんが使用感として全く遜色はありません。

メローラは柔らかくふっくらとした風合いで茶系の発色が綺麗でおすすめです。

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SOLI(カーピンチョ)

ソリのカーピンチョレザーです。

エルメス同様のデザインですが手の平にセリエがあるデザインです。

細かい毛穴とヌバックの様な風合いがオシャレです。

私はライトブラウンですがダークブラウンやブラック、ネイビーだと毛穴が上品なドット模様の様でオシャレでおすすめです。

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ソリは私にはジャストなサイズです。伸ばしてフィットさせることもなく新品時からピッタリです。そのせいかギュッと締め付けられる感触を楽しむこともできません。

カシミアライニングなので余計にそう感じるのかもしれません。

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ハンドメイドですが細い糸でより手間のかかったステッチです。
そのせいか丸く形成されて素材と合わせて上品さが増します。

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総評

個人的にはコース、デンツに言い表せないオーラを感じました。

この二つはアンラインドだったせいなのかペッカリー独特のしっとりと柔らかいのに軋む様なググッとくる強さがたまりません。

昨年、使用頻度が高かったのはソリの二つで安定した品質の高さと言うかつけ心地の良さを感じました。

アンラインドのソリも試着したことがありましたが持っていればデンツよりも上と感じでいたかもしれません。

セリエ付きのソリはボタン留めの他のグローブよりもデザイン的に好みです。

基本的にググッとくるフィット感が好みな私にはメローラはあまり出番はありませんでしたがブラウンの色味が好みで日によってリラックスしたい時にはちょうど良い具合でした。

 同じブランドでも時期なのか色なのか、表面が硬質なものとしっとりとしたものがあったりブランドごとにパターンも異なりますので結局実物を沢山比較して反応したものを選ぶべきだと思います。 

最新の007ではステッチが外に出ないスマートなラムのデンツを着用していますが、構築的なトムフォードのスーツとクールなボンドにはベストな組み合わせです。