ジョンロブの比較レビュー 【ボノーラ製フィリップ VS プレステージライン フィリップII】
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プレステージライン全ての始祖であるボノーラ製フィリップと現行フィリップIIを比べてみました。
今ではジョンロブの数多くのモデルが後継モデルとなりIIやIIIと名前に付くものが多くなりました。
新しくジョンロブを知った人は不思議に思わないのかと私は常々思っていましたが、そのせいなのか近年モデル名が新たなものへと変わっていっています。
いつかフィリップやシティと言うモデル名も無くなってしまうのでしょうか。
ボノーラ製とプレステージライン
ブラックがボノーラ製フィリップ、ブラウンがプレステージライン フィリップIIです。
ボノーラの方が野暮ったさと細やかさ、どことなく手作業と言うか職人の手が入った温かみを感じます。
プレステージラインは逆に人工的で無駄が排除されたラグジュアリー感を感じます。
時期が違うだけの同じ靴ですが見ても履いも違う靴だと感じさせられます。
ラストの違い
ボノーラ製は470、フィリップIIは7000、その間に自社工場の8695と言うものもあります。
470は旧ボノーラに限ったラストで爪先に少し厚みがある独特の形状でシルバノラッタンジにも似たラストです。
フィリップの肝であるシームレスヒールに関してはさすがに重要視しているのかボノーラ製もプレステージラインも遜色なく綺麗に作られています。
ただしウェルト付近にシワが寄っているものを正規品でも何度か見たことがあります。購入前に慎重に確認するべきポイントです。
ボノーラ製は一枚側のシームレスヒールでありながら洋梨の様な綺麗な丸さと履き口のすぼまり方には惚れ惚れとします。
単純にシームレスにするだけならばそれ程難しくない、一枚革で足にぴったりとフィットするヒールのカーブを作るのが難しい、と聞いたことがあります。
話は逸れますが8695が最近になって再び使われることが多くなっておりラストの完成度を改めて感じさせます。
私は7000が出始めの頃は内羽根オックスフォードは8695の方がバランスが良いと感じていたのですが、最近は7000の方が服装に合わせやすいしパッと見の華やかさもあり好みです。
時代に合わせて8695から7000へと移行していき、一時は8695はオーダーしなければ買うことができないこともありました。
外羽根ですら7000へ移行しようとしていましたが、案の定それは継続はされませんでした。
今後ドレッシーな7000、カジュアルな8695がモデルに合わせて使われる様になればラスティングの妙、さすがだなと思わずにはいられません。
ウェルトの違い
ウェルトには最もボノーラ製らしさが見られます。
土踏まずはマッケイ、前方はハンドソーンウェルトで作られています。
マッケイはコバを必要としないため土踏まず付近のコバを限界まで削ることができますし極端に丸められた特徴的なコバになっています。
これは好みの問題ですがジョンロブがエドワードグリーンに対して物足りないと思うのはコバの仕上げです。プレステージラインであってもエドワードグリーンやガジアーノガーリングの方がビスポークの様な細やかさがあり格調高く作られています。
ただしエルメスにも通じるノーブルさ、もジョンロブの良いところですのでシンプルなことも良い点と言えるのかもしれません。
ソールの違い
ここもボノーラ製の方がビスポークに通じる丁寧な作りが見てとれます。
どちらも極端なえぐれやフィドルバックの様なデザイン性はありませんが滑らかに船底型になったカーブやコンパクトなヒールなどに美しさがあります。
イエローがイメージカラーだった頃のジョンロブはヒールがJLを模したオリジナルラバーでラバー面積が広く機能性も抜群でした。
まとめ
あまり靴自体のインプレは好みではなかったのですが、自分の持っている靴もこのところ入れ替わりが激しくせっかくなので今できるジョンロブのコレクションを使ってなにかできないかと思い比較することにしてみました。
今後もジョンロブ比較記事を増やしていけたらと思います。
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