ARC’TERYX Phase SL SS(アークテリクス フェイズ ショートスリーブ シャツ)
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始めてしまったら収拾がつかなくなったアークテリクスのシャツレビューもいよいよラストスパートです。
元々、私がブログを始めたのは昨今のメーカーHP丸写しのアフィリエイトブログにやるせない気持ちになった部分があります。
メーカーHPや誰かのブログをそのまま自分の意見のように引用し間違ったことや矛盾していること、それは違うんじゃないかと思うことを目にすることが多かったからです。
本当に使用者本人が感じたことが主観だったとしても素直に伝えそれが誰かの参考になるべきだと思うのです。
メーカーやショップ、ウェブマガジンでは自社製品や他社類似品と甲乙つけることは商業的にできないと思います。
そう言った部分に個人のブログの存在意義があるのではないかと思っています。
今回はフェイズ SL(スーパーライト) ショートスリーブ クルーネック シャツです。
フェイズは半袖、長袖、厚手のARやSV、ボクサーパンツ、ロングタイツ、と色々所有しています。
ARC'TERYX Phase SL Crew SS
私がアークテリクスを全面的に信頼、信仰とも言えるきっかけの一つがこのフェイズSLと言う生地です。
これまでは何を買うにしても他社類似品と比較して疲弊していた日々でしたが、以降はアークテリクスの中からだけ選べば良いと考えられる様になったので精神的に相当楽になりました。
フェイズというのは生地の名称でもありますが、モデルとしてフェイズSLはアークテリクスにしては驚くほどタイトです。
肩は内側に追い込まれて位置しており袖生地が肩周りも覆う形状になります。
胴体も砂時計の様にはっきり分かるほど細くくびれています。
それでも立体的なパターンで動いている時に着心地が気になると言うことはありません。
肩幅が狭めなのに袖が下向きに付けられているので馴染むまで肩上の生地がピョンと出っ張っるのがちょっと気になるくらいでしょうか。
ロゴが袖横にあるのでスポーティすぎませんので街着としてもカジュアル、スポーツミックスとしては着用可能だと思います。
真夏になるとフェイズSLや同じ生地を使っているモータスを頻繁に着用しています。
フェイズSLはボーダー模様の様な横シマに見える立体的な織りになっており光沢の無い生地なのでいかにも運動着の様にはなりません。
素材感
フェイズという生地は元々、縦横の糸を保水する糸としない糸に変えることで汗を生地全体に拡散すると言う特徴がありました。
汗をかいた部位からかいてない部位まで汗を広げるので生地がべちゃべちゃになりにくく驚くほど汗の乾きが早いです。
肌に汗が残らずどんどん吸汗し発散してくれます。
汗をかいた状態で風が吹いても急激に体温を奪われる様な感触も起こりにくいです。
肌触りはシルクのようにしっとりしていて伸縮性にも優れているのですが伸び方が優しいのです。
肌には張り付かず乾きも早い、これまでに感じたことがないほど着心地が良いシャツでした。
テイジンと開発した新生地にモデルチェンジした際にはフェイズSLは生地がさらに薄くなりました。
これまでインナーアウターとしてフィットを変えていただけのモータスというモデルと生地自体も変えて差別化されました。
新旧どちらもランニングにはとても具合がよく、たくさんのアークテリクスのショートスリーブを持っていながら私はほとんどフェイズSL生地のシャツで走っています。
新旧モデルの比較
フェイズは縦横の糸の特性が違います。
かつてはポリエステルとポリプロピレンを使っていましたが、長期の使用になるとポリプロピレンは臭いがつくそうで、現行はポリエステルだけで同じ特徴を実現しているとのことです。
肌触り、伸縮性のしっとり感は旧の方が良いです。
新の方が僅かにサラリとして弾力を感じ、若干光沢にハリ感があります。
旧はシルクの様な独特のしっとり感があり、伸縮性は変わらないのですが伸びて戻ろうとするテンションが弱めに感じます。
伸び縮みはしているのですが、優しい戻り心地のため動いている時にストレスがありません。
新旧どちらも唯一の弱点が耐久性です。
普通に使っている分には問題がありませんが擦れには少し弱いです。
一度、毛玉や毛羽立ちができてしまうとそこからちょっとずつ毛羽立ちが広がっていきます。
フェイズとモータスの比較
フェイズSL生地にはアウター向けのモータスとインナー向けのフェイズがありパターンが違います。
以前は同じ素材でしたが、現行では厚手のモータスと薄手のフェイズとして更に差別化が図られており形や大きさがかなり違います。
伸縮性やパターンが良いため着心地は気になりません。
ゆとりのあるモータスの方が夏のランニングになると若干風の通りが良く通気性がよく感じます。
袖生地が独立した一般的なセットインスリーブのフェイズと、袖肩の生地がつながっているモータスとは袖の付き方のパターンが違います。
肩に縫い目のあるフェイズの方が袖ぐりの着心地が気になります。
ただし重ね着した時にはフェイズの方が生地のたるみはできにくくゴロツキが少なくなっています。
アークテリクスには革新的なフリースのバリエーションが多いのでインナー用にはフェイズは重宝します。
脇のパターンも違います。
フェイズはタイトなので横と前後が独立した四面になっていて立体感を高めています。
モータスは後ろから前に流して、背面を前面よりも大きく使っています。
どちらにも共通しているのは袖を真上に上げた時に生地が突っ張らない様にできている点です。
腕を動かした時に胴体や裾が腕に連動して引っ張られずに常に一定だととても快適です。
ランニングタイプのシャツは放熱性だけでなくこの点での優位性も大きいと思います。
まとめ
とても良いシャツだったのですがタイトすぎたせいか、全て廃盤になりモータスに一本化するそうです。
最初はここまで細分化するのかと感心したものですが次第に無理やり棲み分けを図っている様な苦しさを感じていなくはなかったです。
私もフェイズはSL生地からAR、SVと全種類持っていたのですが次第に所有数が減っていきました。
それでもモータスとは違う極薄生地のフェイズSLは夏に優位性を発揮してくれるものと思います。
ちなみにフェイズARという秋冬モデルもクルーネックとハイネックを所有しており、メリノウールとは違う着心地について必要性を自問自答している日々です。