テロワールを求めて

趣味(靴、旅、道具、バイク等)を通して自問自答し理想の自分を導き出すまでの道すがら。

ARC'TERYX MOTUS SHORT PANTS (アークテリクス モータス ショート パンツ)

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ランニングパンツはアプティン ショートパンツがあれば良い、そう思っていたのですが6月も後半くらいから暑さを感じ始め、8月になったところで本格的に探し始めて見つけたのがモータス ショートパンツです。

かつては新しい物を手にするために吟味することでずいぶん消耗したものですが今は違います。

選択肢はアークテリクスのみ、アプティン以上の物があれば手に入れるし無ければそれ以上の物は無いと諦めがつきます。

そんな状況でサクッと見つけたのがモータス ショートパンツです。

インセンド、アダン、ソリウス、アプティン、今回のモータス、随分とアークテリクスのショートパンツを履いてきました。

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ARC'TERYX MOTUS SHORT PANTS  

モータスはアプティン以上にランニングに重点を置いた作りになっています。

生地はもう少し軽く、丈はもう少し短く、と言った具合です。

アプティンでも足さばきに関してはストレスを感じていませんでしたが足が露出している分モータスは涼しいです。そう言った意味では暑い日に向いています。

大きな違いはインナーが付いているのかどうか、昔はソリウスというモデルがブリーフ付きだったのですが硬い素材や足のカットが合わず股擦れしてしまうのでワンサイズ上を履いていました。モータスはボクサータイプかつ柔らかくて締め付けの強くない生地なので気になりません。

モータスで最も気に入っている点はウェストバンドです。

昔からアークテリクスのウェストバンドはとても考えられていましたがモータスはさらに進化しました。

やはりアークテリクスの新作には斬新さを期待してしまいます。

ウェストバンド全体がインナーと同じ伸縮性のあるジャージ素材になっています。

これによってウェスト全体が面で押さえられ締め付け自体も強く感じません。

ポケットの作りもソリウスの頃から特殊でしたがモータスにも試行錯誤が見られます。機能的に不満はないので今後も進化していって欲しい部分です。これはオーソドックスなアプティンと大きく異なる部分です。

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素材

モータスの素材は素晴らしいです。

個人的にはいわゆるランパンと呼ばれる様なウィンドシェルの様なペラペラの素材は好きではありません。

汗をかくと吸いきれなくなってペタペタと足に張り付いたり風でバタつくからです。

モータスは極薄のソフトシェルの様な雰囲気で伸縮性があり肌離れも良く足に張り付く様なこともありませんしバタつくこともありません。

アークテリクス得意のピーチスキンの様な微妙にデコボコフワフワしたソフトな肌触りも他では体験したことのない特徴です。

圧着

アークテリクスといえば圧着も特徴ですが、裾の圧着面積がさらに減っています。年々、減っていますがモータスはかなりの細さです。

以前は縫製でも圧着でも変わらないと思っていたのですがナイキを履いて以来、アークテリクスの圧着された裾の方が何となく良い気がしています。

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圧着というと耐久性が気になると思いますが、長持ちさせる秘訣は頻繁に洗濯をすることです。

直射日光で干したり保管するのもよくない気がします。

紫外線が気になるので直射日光を避けて乾かすことを意識していますが、綿製品でこの差は圧倒的です。

他にも湿気が良くないとも聞きますので乾燥剤を衣装ケースに入れていますが、一番の実感としては洗濯です。

特に男性はパンツやアウターを全然洗濯していないかクリーニングに頼っている様に思います。感覚的なものなので確証はありませんがどちらも耐久性を下げているなと感じます。

私はカナダ製だった頃のアークテリクスのゴアテックス レインパンツを2着持っていますがシームシーリングは全く剥がれていません。

現在、カナダ製アークテリクスが機能を満たした状態でオリジナルを保っている方はかなり少ないと思いますので私の保管方法は悪くはないと思います。

ウェストバンドのデザイン

モータスの一番の特徴であり、選ぶべき理由の一つです。

ウェストバンドはかなりの幅がありますが実はジャージの様な素材、インナーのボクサーと同じ素材でできています。

腰とお尻の段差もあったりすると思いますがウェストバンドがジャージ素材になることで面で腰を抑えることができます。

よくあるのは細かいシャーリングだと思いますがそれよりも面で触れているので優しいフィット感です。

次に高級なものは内側がゴムバンドになっているものです。これも面で捉えることができますが締め付けが強かったりバンドの幅がモータス程太くはありません。

モータスはインナー付きのせいもあると思いますがウェストのバンドがポケットも含んでいる程に幅が広いです。

そのため強く締め付けなくてもパンツがずれません。

逆に紐でギュッと腰を締めたい人にはイマイチかもしれません。

紐は入っていますが腰回りの生地が柔らかいので細い紐だけの締め付けを強く感じてしまいます。

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ポケット

ソリウスの頃からなのかそれ以前からなのかアークテリクスはポケットへの探求がずっと続いています。

モータスも斬新なポケットです。

ポケットはウェストバンド上に水平に前後四箇所、前側は浅く幅広、後ろ側は深く細くです。

ポケットには全て蓋がついていますが、左右で上蓋がポケットに覆いかぶさるタイプと上蓋がポケットの中に入るタイプとなっており四つのポケット全ての仕様が異なっています。

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ウェストバンドとポケットはジャージ素材で伸縮して中身を固定する仕組みになっています。

アークテリクス独自の素晴らしいアイディアが、パンツの生地と太腿でポケットをサンドイッチの様に挟んで固定するというものです。

これによって中身のブレを抑えることができます。

後ろポケットはiPhone8が縦に丁度よく入ります。ポケットに伸縮性がありますのでもっと大きいスマートフォンも収納可能です。

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インナー

ソリウスでイマイチだった部分でモータスでも心配していたのですが見事に解決してくれました。

素材は柔らかく伸縮性が高く少し厚みがあるので締め付けはほとんどありません。

ぴたりと体にフィットするので汗を効率よく吸い上げ拡散してくれそうです。

アウター側との一体感も増します。

コンプレッション効果はありませんが、最近はむしろ不要だと感じています。

とても自然な履き心地で長時間の着用でより効果を発揮します。

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モータスVSアプティン

アークテリクス2021最新のショートパンツ、モータスとアプティンの違いを比較したいと思います。

形状、フィットの違い

モータスとアプティンの一番の違いは股下の長さです。

幅も違いますが生地やパターンが良いためか履いていて片方が細いということや突っ張りを感じることはありません。

これだけ丈が違うので走っている時の放熱性や防風性に違いを感じます。

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腰回りのサイズもだいぶ違うのですがモータスは生地が薄く柔らかく伸縮性は高い、アプティンは生地が硬めであるため、実寸ほどの違いは感じません。

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素材の違い

モータスはアプティンよりも伸縮性が高く生地も薄いです。それでもペラペラということはなくソフトシェルの様なハリがあります。

比較した時に感心するのはむしろアプティンの性能の高さです。

モータスの軽やかさは当然のことながらアプティンはこれだけしっかりした生地なのに熱のこもりの少なさや汗をかいてもさらりとした履き心地には驚かされます。

丈がモータスと同じであれば真夏でも問題にしなかったかもしれません。

裾をまくることも試しましたが立体裁断のため綺麗にまくれず走っているとすぐに戻ってしまいました。

作りの違い

モータスのインナーはとても履き心地が良いです。アウターと一体のためウェストバンドできつく締め付ける必要がなく汗が腰回りに溜まりません。

普通の下着はウエストバンドがゴム素材のため汗が溜まってしまいます。

それでもアプティンは肌に触れる面がとてもソフトでフェルトの様なフリースの様な起毛素材になっていて履き心地を良くしています。

アプティン以前、ソリウスの頃からこのウェストバンド方式でしたがソフトすぎる肌触りを獲得するために耐久性が低く、毛玉ができやすかったり糸を引っ掛けてしまうことがありました。

アプティンはその様なことがなく耐久性が上がっています。

コンプレッションインナーを使いたい場面、冬にタイツを着用する場面、メリノウールのインナーを使いたい場面、等のバリエーションに対応できるのもインナーが無いアプティンのメリットです。

アークテリクスにはフェイズボクサーという通年使える素晴らしい下着もあります。

インナー内蔵だと強く締め付けなくても安定した履き心地が得られるので一枚履きで対応できる場面ではモータスの方が履き心地は良いと感じます。 

カラーバリエーションの違い

2021年現在、モータスはなぜか二色しかありません。

黒と発色の良いナスっぽい青です。

綺麗な青ですがもう数色バリエーションが欲しいところです。

トップスとの組み合わせを考えるとベーシックなライトグレー、ダークグレー、エンジの様な落ち着いた赤くらいが増えるとありがたいです。

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アプティンのカラーバリエーションはかなりのものです。

私が持っているだけでも5色、他にいくつもあります。

シンプルで光沢のない外見は普段着にも最適です。

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まとめ 

モータスは薄手で丈が短い、アプティンは厚手で丈が長い、だからと言って暑ければモータスと言うわけでもなく気分で履き替えています。

何となくその日の直感に従って選ぶと意外と良い具合だったりします。

マリンスポーツでは始める前にまず体調と天候に耳を傾けます。

ランニングでも走り出す時間だったり風や気温の変化を考えるきっかけをモータスとアプティンは与えてくれます。

例えば湿度が気になったり足が重い日だなと思ったらモータス、インナーをさらさらとした軽いものにしたかったり風で衣類のバタ付きが気になりそうだったらアプティン 、と言った具合です。

何を履いても夏は暑いし冬は寒い、どちらを選んでも後悔する程の差が無いのはさすがアークテリクスです。

ランニングに限って言えば個人的にはモータスに比重を置いていますが季節が変わればまた印象が変わるかもしれません。

秋冬はずっとアプティンでしたが履くたびに良い印象がありました。

シャツのバリエーションも豊富なので組み合わせを変えることで環境に合わせるとこができます。