◇◆独断と偏見による革靴ブランド◆◇
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ここまでブログの紹介のために自分の靴履歴を書いてきました。
たくさんのメーカーを実際に見て履いて感じたことがあります。
独断と偏見からそれぞれのブランドの感想をまとめようと思います。
注意点は私にとって今のジョンロブが基準となっていることです。
靴の選び方
靴は足に合っていることが大前提だと誰もが言いますが、足に合っているという状態を理解することが最初は難しいと感じます。
安い靴ではそれなりのフィット感しか得られないためいくら履き比べても良い革靴の基準が分からないからです。
最上のフィット感とたくさんのラストが準備されているエドワードグリーンでフィッティングをしてもらいたくさんのモデルを履くことで目指すフィット感が見えてくるのではないかと思います。
全方向、特に土踏まずまでも吸い付くような感触は履き心地が悪いものという革靴への価値観が変わる体験になるはずです。
そこでなぜ高いのかを理解し納得すれば購入も良いかと思います。
ただしその場合でも同価格の他ブランドも少しは履き比べた方が良いだろうと思います。
ハウススタイルとも言うべき靴の作りや履き心地の違いはブランドごとに異なるからです。
少し敷居が高いのであれば最初はクロケット&ジョーンズ辺りでも良いかもしれません。
ジョンロブやJ.M.ウェストンは購入意思があっても店員によってはかなり不愉快な思いをする危険性があるため全く知識や覚悟が無い状態で路面店へ行くのは避けた方が良いいかもしれません。
デパートであればJ.M.ウェストンの店員は素晴らしい方が多く靴のフィッティングについて丁寧に説明してくれると思います。
イギリス靴が全く足に合わない、土踏まずの無い幅広足であればリーガル トーキョーのハイクラスもおすすめです。
勇気を持って最初から良い靴を体験し話を聞いて自分なりの物差しを持つと良いと思います。
ある程度履き込んでからですが、一足ずつ買い足していくとバリエーションが偏る場合があるなら、店員のアドバイスを聴きながら複数を同時に購入すると用途が被らなくて良いかもしれません。
どうせ靴は最低3足から5足は用意することになるからです。
靴の買い方
たくさんの靴を履いてみないと靴の良し悪しや自分の好みはわからないと思います。
なので買う前にできるだけ多くのデザインやブランドを履き比べることです。
靴が決まったら最後に上下のサイズも必ず履いてみると良いです。
そしていつか修理をすることになってもその値段を出して良いと思える靴であることです。
2万円の靴を買ってソール交換に1万円以上も払うことはできないと思います。
各ブランドの感想
リーガル トーキョー&シェットランドフォックス
どこでも売っている安価なリーガルとは大違いでした。
良い作り、万人向け、それでいて価格も程々、個人的にはどことなく昭和の香りと言うか文明開化の香りが漂うデザインが微妙でした。
クラシックなデザインなのにロングノーズなバランスが残念です。
ロウ付けされた細いシューレースも苦手です。
九分仕立ての最上級ラインは素晴らしい履き心地でリーガルでもここまでフィットするんだと関心しました。
スコッチグレイン
相当に残念な印象でした。
いまいちな革質にいまいちなフィット感、固くて滑るソールと良い印象が全然ありません。
外見は高級靴にも劣らない雰囲気があります。
USヴィンテージ
ブランドは数多くありますが私が購入していた時は価格以上に質が良いと感じていました。
しかし色々な知識も必要だし、欲しいモデルや合うサイズが良い状態で出てくるとも限らない不安定さはあります。
古い靴は作りも革も良質で、きちんとメンテすれば最新の様に蘇るし雨や傷にも強いです。
私はコードヴァンをUSヴィンテージで堪能しもう購入する気が起こらなくなってしまいました。
難点としてUS靴はラストがいまいちでフィット感は程々です。
靴を輪切りにした時に高級UK靴が洋梨の断面の様な形状とするならばかまぼこの断面がUS靴です。
だから足裏からの包まれる様なフィット感にはなりません。
それでもシューレースの調整幅が広いので紐で靴をフィットさせれば良いと言う合理主義を感じます。
旧チャーチ
旧チャーチも愛用していたが理由はUSヴィンテージ同様、安いのに良質だったからです。
革自体が強く、キメはそこまでではないが磨くと光るしシルエットはトラディショナルそのものです。
ジョンロブやエドワードグリーンと比べてしなやかさやフィット感はいまいちだしソールは固く滑りやすいです。
クロケット&ジョーンズ
短靴は可もなく不可もなく優秀です。
本格的なイギリスの靴で値段と質のバランスが良いと感じます。
新品時の風合いは美しいが履き込んでいった経年変化は美しいとは言えなかった気がします。
ハンドグレードラインを買うくらいなら無理してでもエドワードグリーンの方が良いでしょう。
ブーツ類のデザインが大変素晴らしくおすすめです。
トリッカーズ
カントリーラインに関しては思っていたよりもかなり良い靴でした。
重い固いといった意見をよく聞きますがジョンロブよりも柔らかいし軽いです。
風合いの変化も味になるので気軽に履けて、靴をトリッカーズにするだけでUKトラッドの小慣れた着こなしに変わるのはさすがです。
どうせなら似たデザインが他には無いサイドゴアウィングチップブーツのヘンリーがおすすめで私もカジュアル様に所有しています。
ソールはコマンドソールをおすすめしたいが履き心地が固く気に入らなければダイナイトソールが良いと思います。
ベルスタッフ
日本で気軽に買える方法がほぼ無いのですが意外に良い靴です。
バイカー系ラグジュアリーブランドのためスーツで使えるデザインは少ないかもしれないがカジュアルでも履けるスニーカー替わりに革靴を求めているなら候補にしても良いと思います。
革質とフィット感、安定感と軽さが素晴らしいです。
足首が細く土踏まずと甲と合わせてきっちりと支える心地よいフィット感、爪先は余裕があるのにブレずに地面を支えられる安定感もありスポーツ用の足首サポーターの様な履き心地です。
革は自然なシボ感とアンティークカラーがラグジュアリーで磨くと物凄く透明感がでるし耐久性も高いです。
難点としてはライニングが耐久性を考えてなのかいまいちな吸汗性で、オリジナルのタンクソールは濡れた石の上だと滑りやすいです。
そして日本で試着できる場所はあるのでしょうか。
J.M.ウェストン
チャーチに似た雰囲気のUKデザインとフレンチデザインの両方がありどれも素晴らしい靴です。
ライニングの質は他のブランドに比べて特に良いと感じます。
中底かソールが物凄く固く、足の返りが悪いため履き慣らしに時間がかかります。
アッパーもソールも耐久性は抜群です。
しかし全体に手入れをされているのに綺麗なのに横からクラックが発生するケースが多い様です。
表面が強いせいで内部の保湿系メンテがおろそかになる場合が多いのでしょうか。
エドワードグリーン
美しいデザインと引き伸ばした革の靴下を履いている様な全面フィット感。
所有していたのは全て旧エドワードグリーンと呼ばれる90年代のもので当時世界最高の靴と称されていたものだ。
履き口が浅いのに狭く華奢で切れが発生したことが何足かあった。
足入れ時ではなく履いていて負担がかかりやすいのだろう。
さらにジョンロブを知ってしまうと靴の安定感と言うかスタビリティにも不満があり、集めている途中でジョンロブへ移行してしまった。
あとはガチガチのイギリス靴のシルエットのため自分がコスプレしている様な気分になってしまったことも理由である。
ジョンロブ パリ
2015年からデザイナーが代わりデザインは悪化、品質も悪化で新モデルは眼中に無し。
しかし良いものは良い。
締め付けてフィットさせるのではなく元から足にフィットする足型をがっちりと固く作ってあり独特の感触だ。
そのため締め付けがないのに緩みがなく足が靴にがっちりと固定され、靴は固いのに固さを感じさせず歩いた時にブレない素晴らしいスタビリティと崩れないシルエット。
革質、シルエット、デザインも他には無い美しさ。
私はブランド初期のイタリアボノーラ製、エドワードグリーン製、クロケット&ジョーンズ製、のジョンロブも持っているがどれもジョンロブらしく素晴らしい。
ジョンロブに出会ったことで靴ジプシーは解消されたが、靴へお金をかけすぎることへの葛藤が生まれた。