各種スーツのレビュー イザイア VSベルベストVSサルトリオVSおまけ
スポンサーリンク
スポンサーリンク
かつて日本のスーツやジャケットといえばアメリカントラッドのことであった。
アイビールックと呼ばれVANジャケットやブルックスブラザーズのブレザーが流行ったのである。
肩がはったボックスシルエットにセンターフックベント、ブレザーであればメタルボタンが特徴だ。
そこから時は流れ憧れの中心はイタリアへ移った。
今回はスーツ&ジャケットのレビューと選び方を独断と偏見で語りたい。
私とスーツ
イタリアクラシコがメディアによって紹介され、その細かいディテールや逸話の数々、これまでよりも拘りのあるきりがないほど各上のアイテムの数々にファッションに興味があり良いものにお金を使いたい世代の心ををがっちりとつかまえたのでしょう。
流行れば雑誌も扱いが多くなりラグジュアリー系雑誌が今ではたくさんある。
世界的にもファッションの先端は今でもイタリアなのでしょう。
不便なフィレンツェで行われるピッティ ウォモが未だに世界一の紳士服の見本市であり続けるのはブログタイトルでもあるテロワールの魅力なんじゃないかと思う。
駅から会場までのざわめきや周囲の雰囲気の高まりを感じ、一歩一歩高ぶる高揚感は日本のイベントでは滅多に味わえない感覚でした。
自身も本当はイギリスが好みであるが、気づけばイタリアものが増えてくる。
今所有しているスーツやジャケット、トラウザーは全てマシンメイドトップレンジのイタリアブランドだ。
イタリアものを使ったブリティッシュトラッドを自然に着こなせる様になりたいと思う。
スーツの選び方
価格帯で選べば質もだいたいは伴っていると思う。
ざっくりとした感覚だけれど品質と値段がちょうどよく分類されている気がする。
しかしどの価格帯が得でどの価格帯が損なのかは見極めなければならない。
タグを見てライセンス生産のものは絶対に避けなければならない。
それに各国それぞれの概念があってサイズ表記がなされているので日本換算と言う悪しき習慣ではなく国やブランドごとにサイズを考えていくと自分に合うかも含めて分かってくると思う。
また予算が決まっていてもまず各値段ごとに試着して違いを体験するべきである。
良質なスーツとはハンドルを握っても違和感が無い、腕を組んでも違和感が無いと言う話がありそれは最もわかりやすい判断基準となる。
個人的にはつり革を掴んだ時のストレスでも良し悪しがわかると感じているので普段のスーツについて考えても良いと思う。
試着して鏡を見るだけではなく上記の姿勢をとった時の感覚を判断材料にすることをおすすめする。
スーツ選びの注意点
ブランド否定派、コスパ派は日本のファクトリーのパターンオーダーが最もコストパフォーマンスが良いと言う。
同じ値段ならオーダーの方が品質が良いと思ってそうな人は私のまわりにもいる。
しかしオーダーかどうかよりも技術力の方が重要でしょう。
素人の私が縫ってもそれはオーダーでビスポークと呼ぶことだってできてしまう。
日本の広告屋は嘘では無いが厳密には本当では無い、と言う宣伝が抜群にうまい。
5万円のオーダーはそれ以下の技術料にオーダー料金を足したものだし、20万円の既成スーツと20万円のオーダースーツであれば既成の方が良質でしょう。
結局20万円の既成スーツを上回るには、なんだかんだで20万円のスーツブランドが作るオーダーしかないと自分は感じたのである。
もし体型に特徴があって既成が合わないのであればオーダーの方が良い可能性もあるが、それを知るためにも数多くの試着は必須である。
スーツのブランド
日本で買えるスーツのブランドも多岐に渡り国ごとに特色を理解することも自分のスタイルを構築する助けになる。
ライセンスでは無いイギリス物は日本には少ないがそれはイギリスがテーラーによるビスポークが中心だからなのかもしれない。
下記レビューは自身が入手し着用してきた物に限るので広告ライターのブログ記事よりは参考になるのでは。
ベルベスト
ご存知エルメスのテーラーファクトリーであり価格以上の品質である。
カーディガンの様な着心地と呼ばれ、丸い肩周りと柔らかい風合いが魅力である。
ウェストの絞りはそこまでではなく構築的と言うよりはリラックスした雰囲気である。
春夏はざっくりとした生地、秋冬はSUPERの番手が高いウールよりも風合いのあるカシミアが個人的には気に入っている。
イザイア
構築的なシルエットでコンケープド気味のショルダーと絞ったウェストが特徴。
私が最も思い入れがあるのがイザイアで下記に時代ごとの特徴を記載する。
緑タグ
丈は長く裾幅も広い。若い人やイケイケな人は手にも取らないだろうけれど緑タグの頃は手が込んでいてこれぞイタリアクラシコと言った作りである。
オーダーしたタスマニアンウールSUPER 130'S チャコールグレーのスーツは生地は抜群に最高だし、芯地のしっかりした立体的なショルダーから細く絞ったウェスト、着心地もシルエットも感激してそれ以来イザイアのファンである。
黒タグ
独断と偏見による最もおすすめなのはこの黒タグ時代である。
黒い字に銀文字のタグでイザイア ナポリの記載がある頃で、芯がしっかりしたコンケープド気味の張り出した肩と絞ったウェスト、裾は広がっていて最も構築的で威厳のあるシルエットである。
赤タグ長方形
この時期は生地の柄も組成もバリエーションが多く現行イザイアにつながる華やかさが特徴である。
生地は良し悪しが混ざっていて注意が必要。
悪い生地は雨や湿気で収縮しシルエットが崩れてくる。
しかし黒タグの頃にはない良質で挑戦的な生地を選べればイザイアらしいナポリスタイルが楽しめる。
赤タグ正方形
現行モデルである。
最新のパターンでスーツであれば最も有名なのは丈が長めで構築的なグレゴリーである。
ジャケットは丈が短めでカジュアルなセイラーがベースだ。
どうもグレゴリーは肩周りのパターンが量産系の手抜きになった気がして体型にぴったり合った人以外にはおすすめできないと思う。
セイラーは構築的でありながら着心地が軽い傑作だ。
最もおすすめすなのは手縫い箇所が多いコルティナと言うモデルで、現行イザイアを購入できるのであれば少し高くてもコルティナは断然おすすめ。
サルトリオ
生地に表情のあるヴィンテージ系ファブリックが特徴である。
芯地のしっかりした作りでありながら、現代的なコンパクトなシルエットであり一目で上質とわかる。
20万円付近の中では一番上質な気がするし私も後半はサルトリオにお気に入りが多くが結構増えてきた。
ブリオーニ
当然着心地は段違いによく最上級のスーツがなんであるかを体験できるのでぜひ試着をしてほしい。
シルエットはサルトリオに近い様なきがする。
生地がデリケートなものしかなく普通のサラリーマンであれば20万円系スーツを2着を買ったほうが良い。
厚手のコートなら耐久性もあるのでは、と思うが確証もなしに冒険するには高すぎる......。
チェザーレアットリーニ
ブリオーニ同様、既成では最高レベルのスーツである。
首から背中腰の背骨のS字カーブをトレースした作りは大変すばらしくフィレンツェらしい人体工学を考えたシルエットだ。
個人的に50万円以上のハンドスーツの中ではアットリーニが最も気に入っている。
ラファエルカルーゾ
10万円代の中では最もおすすめである。
ボリオリ、ラルディーニ、タリアトーレ等よりも上の作りをしている気がする。
20万円代のクラスと作りはほとんど遜色がなくコストパフォーマンスが最も高い。
ボリオリ
ファッションを考え始めたくらいが手を伸ばせば丁度良いくらいの価格帯だがスーツは全然ダメでした。
とても作りが悪く着ていられない。
どうせ選ぶならトップレンジのKジャケットが最もオススメで、芯地や裏地無しの風合いある生地に限れば選ぶ価値ありかも。
それらであればジャケットをカーディガン感覚で羽織れるし幅広い着こなしに対応できるので一着持っていても良いと思う。
10万円付近であるならばセレクトショップオリジナルの方が良いと言う意見もあり品を見極める必要がある。
ブルックスブラザーズ
通常の中国製は高すぎる。
上級の1818ライン以上は絶対だ。
1818ラインはイタリア製でかなり良い作りをしておりブラックフリース以上でした。
生地も滑らかだし光沢もドレープも美しく大変良い。
15万円付近の値段だが10万円付近のイタリアブランドよりも数ランク上の作りである。
あとはブルックスブラザーズと言うアメリカンブランドのイタリア製を身につけることに拒絶反応が無ければだが。
ブルックスブラザーズ バイ ブラックフリース
もう無くなってしまったラインだがトムブラウンがデザインした、古いアメトラを現代的に解釈したラインである。
シャツはとても良いがスーツはイマイチでした。
初期はイタリア製で途中からはアメリカ製になるがどちらも価格を考えるとイマイチの作りだ。
しかしトムブラウンによるスタイルは唯一無二で彼のブランドがブラックフリースでしか体感することはできない、かも。