テロワールを求めて

趣味(靴、旅、道具、バイク等)を通して自問自答し理想の自分を導き出すまでの道すがら。

シューツリーと共に歩む人生

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シューツリー、シューキーパー、と呼ばれ靴のハンガーとも言われています。

画像のシューツリーは30年ほど前から現在に到るまでのジョンロブ パリのシューツリーです。

ツリーだけでは手に入らない貴重な限定モデルもあるし初期モデルだって20年ほど前に生産終了しています。

さすがジョンロブだけあってシューツリーを磨いたり眺めているだけでも満たされた気持ちになります。

これもジョンロブを所有する醍醐味だと思うのです。

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最近はだいぶメジャーになってきて割と安価な靴を履いている人でもシューツリーを気にするようになってきました。

靴がたくさんあるからできるだけ安価で悪くないコスパ重視のシューツリーはどれかと比較されているものを目にすることがあります。

シューツリーとは何か

シューツリーとは、履いて歪んでしまった革靴の形状を戻すためにあります。

よくある歪みは反り返った靴底、甲の履きジワ、広がった履き口、です。

これらの歪みを正常に戻してくれるものがシューツリーです。

シューツリー選びの基本

人の足は複雑です。

踵は洋梨の様に下は丸くアキレス腱辺りは極端にすぼまっています。

甲は内側は高くて外側は低く足裏には土踏まずもあります。

これらを加味して、上記の靴の歪みを矯正できるものとなればある程度高価になっても仕方ないと割り切るべきだと個人的には思うのです。

最低限、前後にきちんとテンションがかかれば……などと思ってコスパだけを考えていると結局靴もその程度の品質にとどまってしまいます。

靴が安いのに高いシューツリーを購入する気にはならないはずです。

また高価な靴は複雑な形状ですが安価な靴はそれよりは立体的ではありませんからシューツリーも安価なもので使えるものが見つかりやすく結果安く済むかもしれません。 

シューツリー選びの裏街道

私のオススメのシューツリーは、US雑貨の中古です。

これらは輸入雑貨屋や古着屋に埃が詰まっていたり汚れた状態で売られていることがほとんどでその品質を考えるとお買い得です。

日本のお店では価値あるものという認識はなく、ついでに仕入れてきた雑貨、お小遣い稼ぎ程度の認識の様に感じます。

現代のシューツリーには無い手が込んだ形状とディテール、そして重厚な雰囲気が気になり10点近くまとめ買いしてみました。

実際に購入してみると材質は良いし形状も必要最低限以上です。

結構汚かったのですが、手入れをすると簡単に見違えるほど綺麗になるし品質も良いので丈夫で長持ち、使い続けるほどに艶が増して美しく育ちます。

良いものになると欧州最上級のダンケルマンやコルドヌリと同格かと思います。

 

それ以外では、ダンケルマン、コルドヌリ 、がOEM提供している靴ブランドのシューツリーも狙い目です。

上記二社は滅多にセールになりませんが、OEMブランドのシューツリーはネームプレート違いなだけで半額になることもあります。

クロケット&ジョーンズ、トリッカーズ、チャーチ、リーガル、クラークス、バリー他日本ではマイナーなブランドまで多数あります。

逆にエルメス、ルイヴィトン、グッチ、になってしまうと価格が三倍程になってしまいます。

シューツリー選びの本音

自分がそうだったのですが、結局靴の値段に対してどこまで払えるか、が大きな足枷になってきます。

ダンケルマンやコルドヌリのツリーは5万円以上の靴で無いと購入対象にはならないでしょう。

2、3万円の靴だとシューツリーも5千円未満程のものしかそもそも目に入らないのではないでしょうか。

裏を返せば良い靴を買うと自然と選択肢が増えるため本当に良いツリー悪いツリーを体感することができるのです。

 

これは靴だけでは無いと思います。

物単体の価格ということだけでなく、それ以外の視野も無意識のうちに狭めてしまっていないかと思うのです。

少し身の丈に合わないもの、不必要なものであってもそれに伴って自分の経験や価値観、世界が広がるかもしれません。

そうやって意識が広い世界を回っていつか自分に帰ってくることで自分自身を理解することができれば良いなと思います。

などと思いつつ今日もシューツリーを無駄に入れ替えるのです。

私のドレスシューズは全てジョンロブでツリーも全て純正なので入れ替える必要など無いのですがね...。