機能を超えた美しさはさらなる意味を持つ 〜水牛の角でできた靴べら アビィホーン Abbeyhorn 〜
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ある程度高価な革靴を買ったら絶対に必要な道具が靴べら、シューホーンです。
靴べらには、プラスチック、金属、木、水牛等の種類があります。
クロコダイルの革を持ち手に使ったものなんかもありますが、どの時点から靴べらにお金をかけるべきなのか、そもそも靴を履くためだけの靴べらにこだわる必要はあるのでしょうか。
何本も購入してきた経験から言うと、靴が5足になったタイミングでこだわりの靴べら探しに出かけてほしいと思います 。
とりあえずの安価なものだと金属製とプラスチック製のものがあげられますが金属のものはあまりオススメできません。
と言うのも安価なものと言う基準のせいかカーブが綺麗にできていなかったりエッジの処理がいまいちであったり、そしてしならないことも致命的でヒールカップや履き口を痛めそうなものが多いと感じるからです。
プラスチックや木製はエッジのアタリが優しくしなりがあり、バリエーションも豊富でヒールカップに綺麗におさまるちょうど良いサイズが見つかりやすいかと思います。
機能的には十分ですが、それでも水牛の靴べらを一度見てしまうとその魅力に取り憑かれてしまうはずです。
大英自然史博物館に飾ってあったシカの角は3メートルくらいあって圧倒されて目が話せませんでした。
艶やかで滑らかに力強く伸びた角はそれ自体が意思を持っている様な何とも言えないオーラを放っていました。
水牛の靴べらも微妙に湾曲しておりそれが単なる使い勝手としてだけでなく魅力の一部となっています。
値段は張りますが小型のものではなく3、40cmの大柄なものがオススメです。
50cmまでいくと根元が太くなりすぎてヒールカップに合わない場合が出てくるので注意が必要です。
太い根元から細くなる先端、湾曲の具合の美しさは長いほど美しく感じられるからです。
機能にしか意味が無いはずの靴べらがインテリアに変わります。
冬に収納場所に困る扇風機や夏に収納場所に困る毛布や電気カーペットの様にはなりません。
色はブラック、ベージュ、その両方が混じっているもの、と分類されますが私はブラックベースに2、3割ほどベージュが混じっているものが好みです。
グラデーションやランダムな混じり模様を見ていると水牛の成長とともに自然の雄大さを感じられるからです。
しかしナチュラルなベージュは部位によって透ける様な透明感が美しいし、ブラックだけの高貴な雰囲気を使いたい時もあります。
せっかく高いお金を出したのだから、その日の気分に応じて靴べらを選ぶことにもこだわりたいです。
数年悩みましたが結局全てをサイズ違いで揃えてしまいました。
同じものを買うのも損した気分になるのでサイズ違いや持ち手が別体式のものも。
別体式のものは手作り感があり趣きはあるのですが、持ち手の位置が決められてしまうため使い勝手に劣ります。
それに先端の細い部分がカットされてしまうために角感がやや薄れてしまいますので持ち手までが一体のものが好みです。
一番便利なのは40cmサイズで他のサイズはいくつか手放してしまいました。
ヒールカップとの相性もそうですが、長いと屈まないでも足を入れられて便利に感じますが靴紐をしめる時には屈む必要があるため長過ぎても使いづらいです。
かといって短すぎると屈んだ状態から靴に足を入れることになってしまいそれも疲れます。
屈む姿勢に移行しやすい楽な姿勢をイメージして選ぶと最適な長さがわかるかと思います。