テロワールを求めて

趣味(靴、旅、道具、バイク等)を通して自問自答し理想の自分を導き出すまでの道すがら。

ランニングパンツの進化 〜アークテリクス ソリウスショーツからナイキへ買い換え〜

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アウトドアウェアでは圧倒的な品質(機能だけでなくデザイン面でも)を誇るアークテリクスですがランニングカテゴリーでも別格の品質でここ数年はずっとアークテリクスを使っていました。

ところが昨年、セールで購入したナイキのパンツが期待以上に良くアークテリクス以上にも感じられたためランニングウェアの買い換えを行いました。

シャツに関してはいまいちな部分も結構ありましたがパンツに関してはアークテリクスから買い換えるだけの良さが私にはありました。

 

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アークテリクス ランニングウェアの衝撃

もともとークテリクスはアウトドアウェア、特にゴアテックスのハードシェルの品質が抜きんでていました。私もハードシェルをきっかけにアークテリクスにはまりました。

その後、他社とは違う素材自体の質の高さを感じのめり込んでいきました。

そのアークテリクスがランニングウェアも出していたというので当然興味を持ちましたが機能的にイマイチと感じて手は出さずにいたのです。

これまでナイキやアディダスのランニング専用ウェアといえばだいたいが大会向けの位置付けということで軽量化と速乾性のみに重点が置かれているものばかりでした。

耐久性や収納のことは考えられていません。

そのためこれらのランニングウェアを着用する時は荷物はロッカーか別途バッグを使用することが一般的でした。

最近はご無沙汰ですが皇居ランの様にランスポットへ移動することもあり、荷物は私にとって解消すべき問題だったのです。

わざわざロッカーに保管したくはないし、体にフィットするたすき掛けバッグやアームポケットもしっくりきません。

結局ポケット付のショートパンツに貴重品だけ入れて使っていましたが荷物がポケットの中で動くので具合がよくありません。

ところがアークテリクスからソリウスショーツというパンツが出た時にこれまでにない革新的な考えに衝撃を受けすぐに購入したのを覚えています

ソリウスショーツウルトラマラソントレイルランニング用途のため収納についても考えられており腰回りに一周、ポケットが五つも付いていたのです。

スマートフォンが入るポケット、栄養補給品の入るポケット、鍵やカードの入るジッパー付ポケット等、付いているポケットそれぞれに用途が考えられているのです。

さらにポケットの中身が揺れない様に生地と自分の太ももで荷物を挟みこんでブレを押さえる構造まで考えられていました。

私はコードレスイヤホン、スマホ、家の鍵、スマホ決済ができるまではクレジットカードも持ち歩いていましたがその全てが無駄無く収納可能でした。

今ではほとんどのランニングパンツに付いている背面のジッパーポケットはアークテリクスが流行らせたのではと思っています。

トレイルランニング用なので生地も耐久性がありながら超軽量です。

他にも、体を締め付ける部位であるウェストバンドはマイクロフリースの様な柔らかい素材、足を動かしやすいサイドの切り替えパターン、裾は糸を使わずに熱圧着、とアウトドアウェア同様の最先端にこだわった機能性を持つランニングウェアはこれまでに見たこともありませんでした。

シャツについても、これまでのランニン用グシャツはただひたすらに軽量と速乾性を重視したものでしたがアークテリクスの考えは違いました。

速乾性が高すぎると熱を奪って体を冷やしてしまうため、汗をまず生地全面に均等に拡散させ乾燥する速度をコントロールすると言う方法を取ったのです。

うんちく好きな私に取ってランニングウェアに対してここまでこだわるのかと衝撃を受け、以来ランニングウェアはアークテリクスだけを使ってきたのです。

なぜナイキのランニングウェアに買い換えたのか

私は靴のメーカーに合わせてウェアも揃えているのですが靴自体もモデルチェンジごとに同じモデルを買い換えるスタイルですのでころころウェアが変わることはありません。

元々はエアーに感動してナイキ派だったのが、アディバリケードと言うテニスシューズができた時にアディダス派になった経歴があります。

それが最近ナイキのフライニット構造に後追いしたにも関わらずイマイチ活かせていなかったことでアディダスからナイキへ再びメーカー変更したのです。

 厚底ブームはその後なので、ちょっと先見の明ありと嬉しくもなりました。

私は厚底ではありませんが、ここ数年ナイキのランニングシューズを何代も使っていますが特に不満はありません。

ナイキはランニングシューズを乱造しているくせに選び方のチャートも無いことは非常に不満を持っていますが、私は一つのモデルをモデルチェンジごとに買い換えているため靴選びでストレスにはなっていません。

アディダスはモデルごとに綺麗な説得力のあるチャートを作っていることが共感できます。

 

そんなわけでウェアについてもそろそろナイキで揃えようかと思っていたところセールと時期が重なり試しにいくつか購入してみたのです。

シャツについてはランニング用をとりあえず適当に、パンツに必須なのは貴重品を入れる背面のジッパーポケット、スマホを入れて走れる左右のポケットというくらいでした。

 

偶然にもこれらを満たしつつもソリウスショーツ以上に好感触のランニングパンツを手にすることができました。

それが画像のブルーのモデル(フレックス ストライド)です。

実はアークテリクスの唯一の不満点として、股上が浅くヒップが小さいことでインナーパンツの履き心地やフィット感がいまいちだったのです。

ナイキは股上が深くインナーパンツの伸縮性や肌触りの良さ、柔らかい独特のタフタ素材の履き心地でアークテリクスよりも具合が良い様に感じました。

しかし全てが良いわけではありません。疑問に思うほどの低品質なモデルがどの時期にも現行品として紛れ込んでいることです。

この時ナイキのウィンドブレーカー上下とランニングパンツを他にも買ったのですが見事にそういった品をつかまされてしまいました。

定価がほんの少し安かったのですが、値段以上に質の差を感じました。着用しただけで走り出す気に慣れないほどの着心地の悪さでした。

ナイキのランニングパンツ

良い品、悪い品が混在していることはとても嫌な気分になりましたが超大企業メーカーなので仕方ないのかもしれません。

その後はブルーのランニングパンツについて何が良かったのか分析し、同じ様に納得できるモデルを一つずつ選んでいきました。

向かって左から、

ナイキ フレックス ディスタンス

インナータイツ付き。股下13cm。パンチングの生地が斜めにたすき掛け状に切り替えられています。そのためパンチング生地が左右対称ではありません。無駄に切り替えの縫製をするくらいなら全面パンチングで良かったと思います。最近のナイキはこの様な無駄なデザインが多いです。

ナイキ  カラーブロック ディスタンス

インナーブリーフ付き。股下18cm。同じ生地が腿あたりで水平に切り替えになっています。カラーブロックの名称通り腿の切り替え部分が色違いの生地で切り替えられています。私のモデルは全てブラックなので無駄に生地がつぎはぎされた様に見えてしまいます。

ナイキ フレックス ストライド(日本だとフレックス ディスタンス?)

インナータイツ付き。股下13cm。どのパンツも同じ生地のはずですが一番肌触りが良く感じます。ウェストベルトがアコーディオン状ではなく伸縮性のバンド式になっていることが特徴です。サイドの生地の縫い合わせも足の動きに合わせた斜めのパターンになっており他よりも高級な雰囲気です。

本当ならば色違いでこのモデルだけあれば良いくらいなのですが、残念ながらすでに手に入れることはできませんでした。

 

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ウェストバンド

ブルーのパンツが上位モデルなのか作り込まれています。

このモデルだけウェスト部分が幅広で伸縮性のあるバンドになっています。裏は細かいフリースかパイルの様な肌触りの良い起毛した素材になっています。

他のパンツはアコーディオンタイプです。

アークテリクスもそうでしたがバンドタイプの方がアコーディオンタイプよりもおすすめで肌触りもフィット感も良いです。

アコーディオンだとフィット感にムラがあるのですが、バンドは全体を均一に押さえられている感触があり、紐を強く絞めなくてもズレることがないため履き心地が良いです。

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背面のポケット

背面ポケットが中央に付いているモデルもあるのですが、スマホを入れるとポケットが大きすぎてスマホが跳ねてしまい走りづらいので縦型の細いサイズのポケットの方が好みです。

iPhone8が隙間なくギリギリ収まるサイズです。

もしポケットが大きい場合は伸縮性の高い素材で切り替える等の工夫が欲しいです。

アークテリクスのソリウスショーツはポケットの素材が部位ごとに異なっていました。

通常は鍵を入れていますがクレジットカードも綺麗に収まります。

 

 

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左右のポケット

左右が真っ直ぐ垂直に切り替えられているものと斜めに切り替えられているものがあります。

斜めに太腿へ向かって前に回り込む様なパターンだと足の振りに対して生地が引っ張られるストレスが少なくなり履き心地が良いです。

ポケットも太腿の前側に移るのでの中身も揺れにくく感じます。

また垂直の切り返しだったとしても前後の生地の合わせで前側の方が小さく作られている方が作りが良いものです。

正面に置いた時にサイドの縫い目やポケットが前側に寄っているはずです。

ヒップの厚み分後ろの生地の方が面積が広く取られているため履いた時に無駄な張りがなく履き心地も良いです。

 

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素材

ナイキの一番の特徴だと私が思っているのがこのタフタ生地の品質です。

今回紹介するモデル名で言うとフレックスと言うのがこの生地の様なのですが、同じフレックスと言うモデルでも素材呼称が違うものもあり良くわかりません。

ナイキのタフタ生地は同じ値段であっても他のスポーツメーカーよりも優れていると昔から感じていました。

生地表面がちぢれ織りの様な立体感があるため汗をかいても生地が肌に張り付きづらくさらりとしていて乾きも早いです。

とにかく柔らかくて生地は軽くしっとりとした優しい肌触りがあり他のポリエステルとは全く違う風合いです。

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インナーパンツ

インナーパンツは絶対に付いていた方が良いです。

インナーパンツ自体が機能的インナーであり結局アンラインドモデルを買っても別途準備する必要があるからです。

そうであれば金額面、洗濯の手間やアウターとのフィット感等を考えるとインナーが付いていた方が都合が良いです。

スパッツタイプは真夏には暑いですがサポート性が強く、ブリーフタイプは涼しくて軽い着心地です。ロングタイツを着用することも考えるとブリーフタイプは一つは欲しいところです。

ナイキはプロコンバットと呼ばれるコンプレッションインナーを開発していたためインナー自体の質も他のメーカー以上です。

明確にプロコンバットと書かれているものと無いものがあるのですが比較してもあまり違いが分かりませんでした。

私はこれまでインナーはロングはスキンズ、ショートはアディダスのテックフィット パワーウェブを使っていましたが伸縮性や肌触りはナイキが一番です。

スキンズもアディダスも生地が薄く着圧が強いのですがナイキは着圧が抑えめ伸縮性は高いため脱ぎ着が簡単です。汗ばむ暑い季節に差を感じます。 

 

番外編

フレックス レペル ショートパンツ

超撥水加工の生地は脱水しただけで着用可能なほどです。

ウェストはバンドタイプでさらに二重構造になっており外側はメッシュです。

ポケット口の補強カンヌキ留めは圧着、裾裏も圧着、とアークテリクスに通じる最先端技術が使われています。

もちろん背面ポケットもあります。

インナーは付いていないためタイツ着用時や雨天用にと考えています。

特殊な生地のため伸縮性と放熱性に少し劣る様に感じました。

価格は段違いに高価なハイグレードモデルで状況に応じて使い分けたいと思っています。

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ナイキのランニングシャツ

ランニングシャツ ショートスリーブはどれも肩の生地面積が小さく肩が窮屈に感じます。

袖と胴体の縫製パターンも微妙で立体的ではありません。

ニスモデルがそうである様に腕の可動方向を意識した立体的なパターンで作って欲しいところです。

ニスモデルの方が着心地が良くランニングシャツには不満が大きいです。

生地も

アークテリクスの方が段違いに着心地は良いです。

ナイキの悪いところ

商品展開が非常にわかりづらいです。それぞれのモデルの特徴や立ち位置がわかりにくすぎます。

それでいてモデルも多すぎて通販では失敗することも多々あります。

特にひどいのはタイツです。外見から差はわからないのにたくさんのモデルがあり商品名も語感の良さで思いついた様なものばかりで選ぶことを放棄してしまいます。

大企業なのだからカテゴリー分け、チャートにしてモデルごとの特徴を分かりやすく比較してほしいものです。

 

まとめ

最近はどのメーカーもシーズンごとに新モデルを出すことが義務化しており必然的なモデルチェンジではなくとりあえずデザインを変更したかの様な無駄なモデルチェンジが繰り返されている様に感じます。

デザイン的にも出尽くした感がありここ10年ほど大手スポーツメーカーで良いと思ったものは滅多にありません。

私が購入したモデルよりも現行モデルの方が優れている様にも特に思えません。

少し古いモデルになるので探すのが大変でした。