テロワールを求めて

趣味(靴、旅、道具、バイク等)を通して自問自答し理想の自分を導き出すまでの道すがら。

寒い日の一着はアークテリクス コアロフト ジャケット 〜 ARC'TERYX LEAF COLD WX,ATOM AR,KAPPA 〜

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一家に一台、ではなく一人に一つ、冬のマストアイテムとしておすすめしたいのがアークテリクスのコアロフト素材のジャケットです。

先日のポーラテック ハイロフト ジャケットと合わせて街着やアウトドアスポーツから旅行、非常事態にも使えるので一つあると便利な汎用性の高いジャケットです。

今ではアークテリクスからいくつもの化繊ジャケットが出ていますが行動着方向にバリエーションを増加させ汗抜けを重視している傾向にあると感じます。

そのため、最初の一着は防寒性に重点を置いたベーシックなアイテムがオススメです。

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 私と化繊インサレーションジャケット

毎度のことですが、私とアークテリクス コアロフトの出会いについて振り返ってみようと思います。

おそらく2010年かそれより前、私は化繊の中綿ジャケットを探していました。

洗濯好きな私にとって洗濯が面倒なダウンは好ましくありませんでした。

着膨れするくせに全く暖かくないと言う数十年前の悪い印象がずっと残っていたところもあったかもしれません。

ところが最近のウルトラライトなダウンベストを試したら異常に軽くて保温性も凄い、中綿インサレーションではここまでは無理なのではないかと感じましたのでベストであればダウンを購入したいと思っています。

さて、当時中綿インサレーションを探していた理由は富士登山での防寒です。当時は22-24時くらいから登り始めて頂上で朝を待つスタイルで登っていたため防寒性にはいつも悩まされていました。

頂上では0度くらいになったかと思うのですが夜はとにかく風が強いし地面も岩なので冷たさがダイレクトに伝わってきて体感はそれ以下です。

そんな状況なので酷い奴らは準備不足で覚悟も無いため夜中トイレに立てこもっていました。

毎年、頂上のトイレ立てこもりは何名か必ずいましたが雰囲気からしてろくでもないことは一眼で分かり嫌な気持ちになったものです。

きちんと準備をしてきた方は迷惑にならぬ様に宿から離れ広くなっている部分でテントをはっていました。

頂上での長い夜があけて朝日が登ると暖かさと共に空気も変わり、私にとってはここから一年が始まると言う気持ちになれたのでした。

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当時は海外通販だと安く買えたのでホグロフスとアディダス テレックスでアウトドア用品はまとめていました。

ホグロフスにはバリアージャケットと呼ばれる中綿インサレーション、アディダスにも中綿インサレーションはありましたが、どちらも山の夜では全く役に立たない保温性でした。

フリースもありましたが汗が吸われず肌に残り重くてかさばりますので行動中は使い物になりません。

動いている時は良いのですが止まると汗が肌に残りそれがかなりの汗冷えを引き起こすのですが、しまうにしても圧縮できず登山に使う気にはなれませんでした。

パタゴニアのRシリーズを知っていればフリースもありだったかもしれません。

毎年富士山の課題としては常に中綿インサレーションがありました。

私とアークテリクス コアロフト

コアロフトはアークテリクスが開発した化繊の中綿です。

それまで化繊中綿として有名だったのはプリマロフト、アウトラスト等がありましたがそれらも着用したうえでアークテリクス コアロフトは段違いでした。

アディダステレックス、ホグロフス、スナグパック、ムーンストーンワイルドシングス等々、10着以上は中綿ジャケットを試してきましたが、総合力と保温性を合わせればどれも比較になりません。

思い返せば中学生くらいの頃から防寒用のジャケットには悩まされながら過ごしておりましたので、ようやく辿り着いた初めての幸福感とも言える感覚でした。

中学も高校も結局部活用のウィンドブレーカーが最も暖かくて着心地も良い、それをミドルレイヤーとしてマウンテンパーカー等をアウターに着ていました。

それを考えると、毎年新作だなんだと広告で大々的に宣伝している内容はどれも購買意欲をそそるだけで結局対したことも無いのかなと思います。

もちろん一流アウトドアメーカー、それにアークテリクスは除きます。 

アークテリクス コアロフト ジャケット コレクション

アークテリクスのコアロフト ジャケットの何が良いのでしょうか。

 防寒性、耐久性、着心地の良さ、全てを兼ね備えていたのはアークテリクスだけでした。

コアロフト ジャケットに限らずデザインと着心地の良さはアークテリクスの特徴でもあります。

人体の動きを意識した立体的なパターンで縫製されており着心地は抜群です。

記事の表面が撥水性を高めるために微妙にピーチスキンの様になっており、いかにもアウトドアなツヤツヤ素材では無いことは街に馴染みやすいことも人気の理由だと思います。

ジーンズやチノパン、カーゴパンツ、ナイロンパンツ等、街着全てに合わせやすいです。

アトムAR フーディ ジャケット

まず一着目に選ぶべきはアトムARジャケットだと思います。

これまで、ブラック、グレー、ブルー、ライトブルー、そして今のダークグリーン、フードの無いモデル、もしかしたらもっと購入してきたかもしれません。アークテリクスは色も絶妙でシーズンごとにテーマが変わるので同じモデルでもつい新しいものが欲しくなってしまいます。

アトムLTと言う、脇がフリースになっていて着心地や動きやすさを防寒性よりも重視したモデルの方が評価が高いそうです。確かに街着や少し寒い日には快適です。

暖かいのは当然としてアトムARの特徴は他に比較するものが無いような柔らかい触感と、薄くてしなやかかつ軽量なのに耐久性が高いことです。

生地のパターンも抜群で、体の厚みを意識した筒状の胴体、湾曲した腕が特徴です。

いくら軽量であってもかさばる中綿ジャケットですから立体的な作りであるかどうかで着心地に大きな影響を与えます。

例えば着込んだ場合、内側に足すにしても外側に足すにしてもこの立体感の差を感じます。椅子にずっと座って移動する電車や車でも疲れ方が違います。

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LEAFライン コールド WX フーディ ジャケット

LEAFラインは軍や国の機関用の特別なラインです。

今では日本でも正規取扱代理店ができて普通に買うことができます。

コールドWX LTは丈夫な生地を使いアトムARの耐久性を高めた様なモデルです。

硬い素材のためアトムARよりも着心地は劣ります。

それでもパターンが優れているため他のメーカーよりもよっぽど着心地は軽いです。

かなり耐久性の高い素材のため、DIYで木を担いだり引越しの手伝いをしたりといった擦れることが多い場面、バイクでちょっと出かける様な場面でもアトムARよりもこちらの方が向いています。

ロゴがボディ同色であったりショルダーのポケットといったデザインにも特徴があり、アウトドアとは違うクールな格好良さはあります。

通常のアウトドアや街着、旅用としてはアトムARで似た様な色を選んだ方が機能性は高いと思います。

アトムARと少し違う点は生地が硬いことで襟が立つことです。

襟自体の高さもかなりあり、さらにフードの入り口も小さめなのも防寒性が高まります。

ファッション的にも二着目にオススメしたい中綿インサレーションです。

私はブラックとウルフ(グレー)を持っていますがブラックがオススメです。

せっかくの軍用なのでコヨーテやウルフ、レンジャーグリーンを選びたくなりますがミリタリー色が強すぎると合わせる服を選びます。

ブラックでもロゴやショルダーのデザインでミリタリーの雰囲気は十分に感じることができます。

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カッパ  フーディ

化繊モデルで最もロフトの多いモデルです。

ロフトが多くジャケットの上から着る用でフィットが緩めのせいか、他二つに比べるとパターンの立体感が少し落ちます。

ゴワっとしすぎて車や電車では邪魔になりますし、暖かすぎて関東では使い道があまりありません。

止まっているといまいち暖かさを感じないのですが動くとすぐに暑くなります。

Tシャツの上に羽織るだけで良いと言う意見もありますが、脱いだ時にTシャツだと寒い季節なので結局適度に服を着た状態での着用になってしまいます。

東北より北の冬にも使えそうですが、チェコハンガリー、イギリス等の真冬でもアトムARでしのげましたので必要かは微妙なところです。

ヒマラヤやオーロラツアーの様なエクスペディションの憧れを実現するために所有しています。

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太めですが立体パターンのため横にダボっとはせずスタイリッシュです。

ドイツ最高峰の山ツークシェピッツェにクリスマスに登るという言い訳をしながら購入しましたが、頂上までロープウェイで行けます。

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ジャケット比較

ロゴ プリント比較

 

正直、LEAFについてはただのオシャレアイテムと言う認識でした。高価であったりレアものというだけでオシャレの価値は上がります。

ところが手に取ってみると値段なりに正しく品質が上乗せされていると感じました。

どうでも良い部分ですがまず感動したのが胸のロゴマークです。

通常は反射プリントですが、LEAFは逆で光を反射しないため影になると完全に見えなくなります。

光の具合によって消えていくロゴが最高に格好が良く、たとえそれだけで数万円上乗せになっても仕方ないと納得してしまいました。

このロゴマークの変化を一番体感できるのがブラックなのです。

そして一番微妙なのがウルフです。

そのため、一着目のLEAFにはブラックをオススメするのです。

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左がLEAF、右が通常ラインです。

立体パターン比較 〜袖〜

アトムARとコールドWXは同じパターンだと思われますのでカッパと比較してみます。

コールドWXとカッパは素材の雰囲気も似ています。

袖の内側にシワが多く寄っているのがコールドWXです。

これは袖先がすぼまっているからだけではありません。

脇下から袖先まで内側はプリーツの様に生地に余りをもたせながらも湾曲させています。

カッパもカーブは立体的ですが生地のたるみはありません。

ハードシェルの上からの着用も想定していることや、コアロフトがたっぷり入っているのでそこまでやると逆に着心地が悪くなるからかもしれません。

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立体パターン比較 〜身頃〜

下になっているのがコールドWXですが身頃が丸く体の厚みを考慮した作りになっています。カッパも同じ様に厚みを持たせているのですがコールドWX程ではありません。

脇下の生地のたるみもコールドWXの方があります。

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フード比較 

フードの作りはさすがアークテリクスと思わせるつくりです。スタンドカラーにフードが付いている様なパターンになっています。

他社では首の付け根からフードが始まっているものがありますがアークテリクスはスタンドカラーの様に襟が立ってそこからフードが付いている様な形状になっています。

これによってフードをかぶっていない時に襟が後ろに引っ張られる様にならず首のストレスが無くなります。ハイネックの様に襟が立つので防寒性も高まります。

カッパはフードにツバが付いていますがコールドWXには付いておらず、かぶり口は小さめです。

カッパはヘルメットの上からフードをかぶることも想定しているからです。

どちらが良いかは好みになると思いますが、個人的には中綿ジャケットにはツバが無い方がソフトな感触で好みです。

アトムARもコールドWXと同じ仕様ですが、アトムARは生地が柔らかいので襟が立ちません。

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シルエット比較

そもそもフィットが異なりますがコールドWXとアトムARの方が立体的です。

カッパはエクスペディションフィットで内側にたくさん着込むことを想定しているためかと思いますがゆとりをもたせ複雑すぎない作りになっています。

たくさん重ね着せずにカッパを使うなら他のモデルを選んだ方が着心地が良いです。

逆に他の二つは中綿ジャケットでありながらとても立体的で凝った作りになっています。

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左から、カッパ、コールドWX、アトムARです。

まとめ

 色々比較しましたが、アトムARをおすすめします。

アークテリクスだけではなく他のメーカーと比較してもアトムARは優れていると感じます。

コールドWXも欲しくなりますが値段はアトムARよりもはるかに高いです。

耐久性は高いとは言え頻度を低下させることや、洗濯、予備の意味も含めてアトムARを色違いで複数持つことも良いです。

その場合、サイズを変えておくとインナー次第でベストなサイズを選べますし、アトムAR同士の重ね着で防寒性をさらに高めることもできます。

他にもアークテリクスには沢山の中綿インサレーションもありますのでアトムARを基準に比較するのも良さそうです。